「プール」

「プール」 (2009年 日本映画 監督大森美香)

私好みの映画だった。
しゃべり過ぎない、微妙な間、そして余白が心地よい。
見えてはいないものに、とても大事なことが隠されているような、そんな気がする映画。
プールという人工的な水の場を囲んで、語り合い、歌をうたう。
青く澄んだ水は、いろんな人の思いをたたえているかのように、キラキラ輝いている。
自然の海や川じゃなくとも、水って、見ているだけで、とても癒やされるものだと思った。

さよは、大学の卒業旅行で、タイ・チェンマイ郊外のゲストハウスで働いている母を訪ねにいく。
4年ぶりの再会を楽しみにしていたさよだったが、空港に迎えにきたのは、仕事を手伝っている市尾という若い男。さよがゲストハウスに着くと、そこにはビーというタイ人の少年がいた。
母親のいないビーの世話をしている母京子の姿を見たさよは、複雑な気持ちになる。
自分と祖母を日本において、好きな仕事をするためにタイにやってきた母。
娘の気持ちを考えずに行動している母親は、さよには自分勝手な人間に思えた。
しかし、市尾は娘にクールな対応をする京子に、その距離感がいいと話す。
親も子も血はつながっているけれど、考え方や価値観は違うはず。
一人の人間としてお互いを認めあえればいいと。
そして、さよは、滞在していくうちに次第に気持ちに変化が起きてくる…。

京子は、市尾や娘にいわれても、微笑むだけで否定も肯定もしない。
この何を考えているのかはよくわからないけれど、その行動がすべてを語っているという風情の小林聡美の演技がいい。「かもめ食堂」のときもそうだったけれど、この人の気負いのない自然な演技は、それだけで癒やし系。病気の菊子さん役のもたいまさこも、この人ならではの演技。二人の存在感が、この映画にゆったり感を与えているのだと思う。

コムローイ(紙を筒状にした熱気球のようなもの)というのを、初めて知ったけれど、火の玉が夜空に飛んでいくようで幻想的だった。願い事をしながら飛ばすのだそう。
青いプールが、とてもきれいだった。あのゲストハウスで1週間くらい過ごしてみたいな!
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by mint-de | 2009-09-17 14:44 | シネマ(た~ほ) | Trackback

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