「シリアの花嫁」(DVD)

「シリアの花嫁」 (2004年 イスラエル・フランス・ドイツ映画 監督エラン・リクリス)

映画公開時に、結婚したら二度と故郷に帰ることができない花嫁の映画と聞いて、強い愛情で結ばれた二人だったのだろうと勝手に想像していたが、結婚は写真を見て決めたという話にビックリした。この地では、女性が結婚するということは、日本で暮らす私たちとは、かなり事情が違うのだろう。

脚本に参加したパレスチナ人のスハ・アラフが、「宗教と伝統のもとに抑圧されている女性の真実」と語っているように、女性が自分の意志のままに生きていくことが難しい場所で、それでも自分らしく生きたいと願う女性たち、そして信念を貫こうとする男たちの映画だ。

1967年の第三次中東戦争で、シリア領からイスラエルの占領地となったゴラン高原のある村。
モナはシリア人の男と結婚するために、この地を離れることになった。シリア側に渡った者は、国交のないイスラエルに再入国することはできない。モナは、結婚と同時に家族と別れることになるのだ。
相手はシリアの人気俳優。でも、モナは写真だけで決めた相手に不安を隠せない。そんなモナを姉のアマルが大丈夫だと励ます。アマル自身は、夫との関係がうまくいっていない。大学進学の夢があるアマルを保守的な夫は認めようとしないのだ。
アマルたちの父親は、親シリア派で投獄されたこともある。父親が見送るために軍事境界線へ行くことは、保護観察中なので禁止されている。故郷を捨ててロシアに渡ったモナの兄は、家族を連れて8年ぶりにお祝いにきてくれたが、村の長老たちは、兄の参加をやめさせるように、父親に伝える。父親の気持ちは複雑だ。

村でのお祝いが終わり、モナたちは、新郎が待つイスラエルとシリアの境界線へ向かう。
ここからのシーンが、なんともバカバカシイのである。イスラエルとシリアの担当官、その仲介役の何もできない国連側の職員。国家間の意地の張り合いで、市民が犠牲になることへの怒り。
ラストのモナの行動は、たとえ束縛されていても、希望に向かって行動することが大切なのだというメッセージなのだろう。それは、アマルも同じ思いだったのだ。
テーマは重いけれど、明るい雰囲気の映画だった。
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by mint-de | 2009-10-11 15:05 | シネマ(あ~そ) | Trackback

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