車窓からの眺め

d0129295_1624147.jpg
以前見たNHKの番組「熱中時間」の特集で、各地の寝台列車に乗って、その車窓風景を撮影している方がでていた。
障害者や病気で列車の旅ができない人に、見てもらいたいといっていた。
乗車すると、ひたすら窓の外を見ていて、決して眠らないという彼の情熱には驚いた。

私も、乗り物から眺める景色は好きだ。
自分が普段歩いている目線とは違う高さや速度で見る風景は、同じ風景でも、どこか違って見える。そして、一瞬のうちに通り過ぎる風景に、もう二度と見ることができない景色かもしれないと思うと、何か切なさのようなものさえ感じてしまう。

今年のイタリアの旅は、ほとんどバスで移動した。
バスの窓から見える風景は、日本と同じようで、どこか違う。
ただ眺めるだけでも、飽きることのない旅だった。
高速を走っているときに、赤や黄色のカラフルな車体のトラックをよく目にした。
イタリアはトラックまでオシャレ! 送電線をつなぐ鉄塔は、日本より細いように見えた。
畑がつづく田舎の風景は、日本と同じような景色。
観光地で、たまたま入ったスーパーでは、地元の人たちが買物をしていた。
その姿は日本とほとんど変わらない。人々の暮らしに、それほど違いはないのだ。
私は、その違いのなさに、ホッとした。懐かしい人々を、見たような気がした。

車窓から眺める景色は、自分が降りない場所。
見えているけれど、自分がいない場所。
人は、一生のうちに、どれだけ違う風景を見ることができるのだろう。

d0129295_16241444.jpg

by mint-de | 2009-12-05 16:29 | 記憶の鞄

見たり聞いたり、日々思うことをあれこれと…


by mint-de