碧草の風

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しなやかな精神

「本当の幸福はどこに」  加賀乙彦  (2010年2月6日付朝日新聞夕刊から)

幸福というのは定義できないものだと思います。何を幸せと感じ、不幸と感じるかは、人により、状況によって異なる。「こうでなければ幸せになれない」という思い込みは捨てるべきです。
日本人は、江戸時代以来、集団の和を壊すことを恐れ、自分が他人にどう見られているかを常に気にしながら生きてきました。その傾向は強く残っている。「KY」という言葉の流行も、そうした状況を表しています。

人の目を過剰に意識することは、自分の評価を他人に委ねてしまうことにつながる。そして、そういう人ほど、ちょっとしたことで傷つきやすいのです。ピンチに陥った時、「他人がどう思おうと自分は自分だ」と思えるかどうか。そのためには、本当の意味での「個」を育てておく必要がある。そして、このような「個」は、自分の頭で考え抜き、他人と意見をぶつけ合いながら、人間関係を培っていくなかでしか、育ち得ないのです。
<略>

自分を不幸と決めつけず、身の回りにある小さな幸せに目を向けていくこと。挫折も幸福になるための要件だと考えること。しなやかな精神にこそ、幸福の源泉はあるのだと思います。

by mint-de | 2010-02-07 19:31 | 詩と言葉から