碧草の風

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「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」(DVD)

「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」 (2007年 アメリカ映画 監督タマラ・ジェンキンス)

日本では劇場未公開の映画。地味な作品だったが、認知症の親を抱えた家族の話として、身につまされる映画だった。
連絡を取り合っていない父親が、同居していた恋人に死なれ病気になったという知らせに、ジョンとウェンディの兄妹は、父に会いにいく。ジョンとウェンディにとって、暴力的だった父親に対していい思い出はない。父は病気の上に、認知症の症状もでているので、施設に入ってもらうしか選択肢はなかった。

ジョンとウェンディは、二人とも独身。ジョンは大学の教授で、ポーランド人の恋人がいる。ウェンディは派遣で働きながら、いつか認められるための戯曲を書き、妻帯者の恋人がいる。二人の母は、子育てを放棄して家を出た。二人は、家庭というものに夢はもてないのだろう。ジョンは、恋人との関係を発展させることに躊躇があり、ウェンディは、父親の影響のせいか、普通の恋に積極的になれない。
父親を忘れていた二人の人生に、認知症の父親が突然立ちはだかったのだ。

ジョンは、父の病気をクールに受け止め、父を受け入れてくれる施設を見つけた。しかし、ウェンディにとって過去はどうであれ、父はやはり父。父親をそんな暗い施設に入居させたくないという思いがあって、別の施設の宣伝文句にひかれ、父を面接につれていくが、無駄足に。悲しむウェンディに、ジョンはいうのだ。「施設は似たり寄ったり。美しい言葉で、死をカモフラージュしているだけ。家族の罪悪感を減らしたいだけ」と。

父の施設の明かりが暗いといって、自分でライトをもってくるウェンディが切ない。
家で介護ができない者は、本当に複雑でつらい思いをするものだ。
私も、自分の父が、ホームの玄関で、もう実家はないのに、家に帰るといわれたことがある。返す言葉はなかった。

淡々としたストーリーだが、その変哲のなさが、胸に迫った。
ジョンもウェンディも、思い通りの人生とはいえない。
ウェンディには、焦りのようなものも感じられる。でも、それも人生だよねって思える。
ラストが、とてもいい。ウェンディは、父にできなかったことを実践したのだ。
人生は、通り過ぎてからわかることがある。
そうして、人は少しずつ大人になっていくのだろう。
by mint-de | 2010-02-13 14:42 | シネマ(ま~わ) | Trackback(3)
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