『グレートジャーニー 人類5万キロの旅3』  

『グレートジャーニー 人類5万キロの旅3』 ベーリング海峡横断、ツンドラを犬ゾリで駆ける 
(関野吉晴 角川文庫)

今回は、アラスカからベーリング海峡を渡り、ユーラシア大陸の最東端へ。
アラスカでは700キロ、ロシアでは2000キロも走った犬ゾリの犬たちに感心する。
もちろん、関野さんや一緒に行動する人たち、現地のガイドたちの、過酷な自然と闘う強靭な肉体と精神力にも感心するけれど、彼らの旅を助けた犬や、ロシアのツンドラ地帯を歩いたときに荷物を運んだ馬たちも立派!
今は、スノーモービルを活用しているので、犬ゾリ自体は減ってきているという。
犬ゾリは、犬をしつけるのも大変だし、ソリも走っている途中でひっくり返ったりするので、人間の方も苦労したらしい。アラスカとロシアのチュコト自治管区(シベリア先住民のチュチク族が住む)では犬の扱いが違っていて、チュチク族の犬は、家畜としてかなり役に立っているという。
ロシアのツンドラの湿地では馬が何度も沈みそうになるので引きずり上げたらしいが、馬がちょっと可哀想だと思った。

クジラが大切な食料になっている人たちにも、反捕鯨の影響がでている。捕獲数が決められているのはしょうがないとしても、牛や豚の肉をあり余るほど食している人間が、極寒の地で食べ物に不自由な思いをしている人たちに、これだけしか食べるなというのは酷な気もする。
関野さんは、狩りにも同行してその様子も書いているのだが、チュチク族の巨大なセイウチ狩りなどはすごい迫力だ。昔ながらの方法で大切な食料をゲットするのだ。命と命の戦いだ。セイウチが可哀想だなんて思う私は、食べ物を得るのに何の苦労もしていないからだろう。
トナカイの解体の話は、心に残った。放牧しているトナカイのなかから何頭か選んで心臓をナイフで刺すのだが、トナカイを刺したあとは、トナカイを見ない。トナカイの悲しい目を見たくないからなのだという。トナカイが倒れてからは、ちゃんとお供えをして、魂が天国へいけるように東側を遮らないようにする。肉はもちろんだが毛皮も防寒具として利用できるので、トナカイは、彼らにとってはとても貴重な動物なのだ。感謝の気持ちを常に忘れたくないということなのだろう。関野さんは、解体されたトナカイの脳みそを食べて魚の白子のようだといい、わさび醤油をつけるとおいしいかもしれないといっていて、私は、驚愕したのだった。このシリーズは、私の脳を活性化してくれます!
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by mint-de | 2010-05-02 16:29 | 私の本棚 | Trackback

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