「トロッコ」

「トロッコ」 (監督川口浩史)

夫を亡くした夕美子は、二人の息子敦と凱(トキ)を連れて、台湾の夫の故郷に遺灰をもっていく。
そこは、戦前、日本人が住み、彼らが作った家や線路が残されている小さな村だった。
敦は、父から渡された古い写真を祖父に見せる。少年がトロッコを押している写真だ。
祖父はその少年は自分だという。
その場所を忘れてしまった祖父は、二人の孫を連れて、今もトロッコが残っている山へ向かう。

父を亡くした敦は、その死を受けとめられず、母には反抗的な態度をとってきたが、父の故郷で出会った人々やトロッコに乗せてもらう経験をとおして、少し大人になる。母の夕美子は、一人で子どもを育てていくことに不安や気負いがあって、兄の敦に対しては厳しい態度をとってしまう。
そんな夕美子や子どもたちを温かく見守るのは、台湾の祖父母たちだ。
日本の統治時代には日本語を強要され、無理やり日本名まで名乗らされ、祖父は日本兵として動員までされたのに、日本からは何の補償もしてもらえない。日本に憧れていたという祖父は、ただねぎらいの言葉がほしいだけだとつぶやく。
台湾の人々が話す日本語が、とても優しく響いてくるのはナゼなのだろう?
つらい体験をしているはずなのに、彼らの話す日本語は、とても丁寧で穏やかだ。
テーマは少年の成長と家族の再生なのだが、私には、台湾の人々の優しさが、しみじみと伝わってくる映画だった。
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by mint-de | 2010-05-29 19:32 | シネマ(た~ほ) | Trackback

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