「ルイーサ」

「ルイーサ」 (2008年 アルゼンチン・スペイン映画 監督ゴンサロ・カルサーダ) 

人並みの人生とはどの程度をいうのかはわからないけれど、苦労したり悲しい出来事があったとしても、並みの人生だといえる人もいれば、不幸の連続で、陰鬱な日々を送らざるをえない人もいる。
ルイーサは、後者の女性だ。
ブエノスアイレスのアパートで一人孤独に暮らすルイーサは、夫と娘を随分昔に亡くし、今は猫のティノがたった一人(匹)の「家族」だ。
毎日バスで霊園の事務の仕事場にいき、ほかにも女優のクリスタルの世話係という仕事をしている。時折、幸せだった家族の夢を見つつ、規則正しい生活をしていた。
ところがある日、愛するティノが死んでしまった。
そして悲しむルイーサに、さらに追い討ちをかけるような事態が起きてしまう。
霊園の社長が近代化を理由に若い娘を雇い、ルイーサは解雇されてしまったのだ。
女優のクリスタルも引退して田舎に引っ込むことになったので、その仕事もなくなってしまう。
社長は退職金もだしてくれない。
せめてティノの火葬の費用だけでも捻出したいと思うルイーサだが、お金がない。
そこでルイーサは、初めて乗った地下鉄で見た光景から「あること」を思いつく。
人にお金を恵んでもらうのは、窮余の策とも最低の手段ともいえる。
ルイーサは、足が不自由なふりや目が見えないふりをして、人からお金をもらうことにしたのだ。
本当に足が不自由なオラシオは、そんなルイーサをたしなめる。
アパートの管理人のホセは、ルイーサを心配しているのに、社交的でないルイーサは本当のことをいえないでいる。オラシオやホセに心を開き、ある方法でティノの火葬を済ませたルイーサは、遺灰を埋めながらつぶやく。
夫や娘といた日々は過去のこと。自分はちゃんと生きていかなければ。
たとえお金がなくとも、心配したり見守ってくれる人がいるのはとても幸せなこと。
ラストの「元気?」と聞くギターの音色が、ずっと殻に閉じこもっていたルイーサの明るい今後を予感させる。
逆境にもめげずに生きていくには、「元気」と「仲間」と「少々のお金」があればなんとかなるのかもしれない。
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by mint-de | 2010-10-21 15:35 | シネマ(ま~わ) | Trackback

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