碧草の風

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『背後の足音』

『背後の足音』   (ヘニング・マンケル 柳沢由実子訳 東京創元社)

クルト・ヴァランダー・シリーズの7作目。
糖尿病になってしまったのに、同僚たちには、ちょっと血糖値が高いだけだとごまかすヴァランダーさん。
そんなに病気を認めたくないなら、もう少し食生活を改善すればいいのにと思うけれど、ハンバーガーやピザばかり食べていて、読んでいるこちらが気持ち悪くなってきた(^^;)

今回は、「扮装」が一つのテーマ。普段の自分ではない誰かに変装することで、人としてのバランスをとる人たち。ヴァランダーには理解できないことだけれど、人は別の誰かにならなくとも、素のままでも、他人を理解することは難しいのではないだろうか。
ヴァランダーの同僚が殺された。その同僚のことを調べているうち、ヴァランダーは、仕事をずっと一緒にやってきたのに、彼の私生活を知らなかったことに気づく。
自分はどれだけ同僚のことを理解していたのだろう?
その同僚は他の者に、ヴァランダーのことを親しい友だといっていたと聞き、驚くヴァランダー。
同僚の死後、扮装した若者たちが遺体で見つかる。二つの事件には関連性があった。しかし、なかなか犯人につながるものが見つからない。焦るヴァランダー。その上、やたらのどがかわき体の調子が悪い。
病気なのに大変だなあと思いながら読んでいたので、エピローグでほっとした(^^)
ヴァランダーが嘆くように、事件を起こした犯人の動機は不可解だ。
この間のノルウェーの事件のように、何の咎もない人間を無差別に殺す理由が、そこまでする理由が理解できない事件が多い。
こんな時代に、ヴァランダーのような刑事は、やりきれない思いを抱きながら捜査するのだろうなと、その仕事の大変さを思った。
by mint-de | 2011-07-30 11:11 | 私の本棚 | Trackback
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