『特捜部Q -檻の中の女―』

『特捜部Q -檻の中の女―』 
    (ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田奈保子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

デンマークのミステリ。ユーモアたっぷりで面白かった。
事件そのものは陰惨なのだが、主人公の警部補カールと助手のシリア人アサド、そのコンビの描写がとても軽妙で、思わず笑ってしまうミステリなのだ。
大体、カールその人が不思議な男。別居中の妻に愛人がいても、妻が離婚に応じないのでそのままの関係が続き、お金も援助している。彼女の息子が母といたくないという理由でカールの家にいるのだが、その義理の息子は母同様勝手気まま。カールは、それなりに不平をいいつつも、そういう関係を改善しようとは思っていない様子。
なおかつ、カールはとても頑固者。ある事件がもとで、新設の過去の未解決事件を解明すべくできた「特捜部Q」に左遷のような形で配属されたものの、警部になるのは嫌なので、上司の命令を聞かずあくまでもマイペースで仕事を進める。助手のアサドは謎の部分が残っているのだが、名探偵ホームズ並みの推理力でカールの仕事を助ける。

カールの特捜部の初仕事は、5年前に失踪した女性議員ミレーデ・ルンゴーの事件。
読者は、監禁されているミレーデ自身を最初から知ることになるのだが、とんでもない状況にいる彼女なのだが、その強い精神力には驚かされる。
米・英のミステリとは違った味わいで、暗さを感じさせない小説だ。4作目まで出版されているというこのシリーズ、今後も楽しみだ。
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by mint-de | 2011-08-07 09:20 | 私の本棚 | Trackback

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