『ジーノの家』

『ジーノの家 イタリア10景』 (内田洋子 文藝春秋)

イタリアに長く住む著者が出会った印象的な人々の物語。
エッセーでありながら、描かれた人々の話がまさに十人十色で小説を読んでいるような味わいがある。
貧しい暮らしながら父の望む教師になった男、十字を切ればすべて意のままになると確信している強引だけれど心優しいシスター、異国の地でたくましく生きる女性、定年後に帆船に恋した男のロマン。
登場人物たちが生き生きと描かれ、その人生の背景に思いを馳せたくなる作品になっている。
内田さんはあとがきで「名も無い人たちの日常は、どこに紹介されることもない。無数の普通の生活に、イタリアの真の魅力がある」と書いている。
普段見かける人々の様子を「生活便利帳を繰るようであり、秀逸な短編映画の数々を鑑賞するようでもある」とも書いていて、私は、自分の周囲の人々をそんな風に捉えられる内田さんを素敵な方だなと思った。
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by mint-de | 2011-09-24 20:57 | 私の本棚 | Trackback

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