『シモネッタのドラゴン姥桜』

『シモネッタのドラゴン姥桜』 (田丸公美子 文藝春秋)

イタリア語の通訳・翻訳業が専門の田丸さんのエッセー。
ユーモアたっぷりの語り口でいろいろ本を出されているが、私が初めて読んだのがこの本。
一人息子の誕生から巣立ちまでを、明るく笑わせながらしみじみと綴っている。
仕事が忙しい田丸さんは、「放任に近い子育て」とおっしゃっているが、開成から東大を経て弁護士になった息子さんの成長の記録を読んでいると、田丸さんの寛容さと息子さんの優しさが感じられて、とてもいい親子関係でちょっとうらやましい。
それにしてもこんなに赤裸々に自分のことを語られたら息子さんも困るのではないかと思うのだけれど、中学や高校に通う子どもさんをお持ちの親御さんにとっては、とても参考になる本だと思う。
異性とのつきあいや学校生活、私だったら頭を抱えそうになることを、田丸さんは実に大きな心で受け止めている。漫才の掛け合いみたいな会話ができる母と息子。それでも、子どもはいつか親元を離れていく。
一人暮らしをするために家を去った息子の部屋で、息子が誕生してからの日々を回想して感謝の言葉を口にする田丸さんの姿に、私は一抹の寂しさを感じたのだった。
親って何だろう?
子どもに教えることはいっぱいあったけれど、子どもからもいろんな意味で学んでいるような気もする。
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by mint-de | 2011-09-30 20:47 | 私の本棚 | Trackback

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