碧草の風

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「木洩れ日の家で」 

 「木洩れ日の家で」  (2007年 ポーランド映画 監督ドロタ・ケンジェジャフスカ)

一人暮らしの老女の毅然とした生き方に共感を覚える映画。
そしてワンコもすばらしい名演で、91歳のアニェラと愛犬フィラの物語といってしまいたくなるほど。フィラがいることで、この映画に明るさがもたらされている気がする。ワンコ映画でもないのに、こんなにワンコのアップが見られる映画は珍しい。
アニェラは、広大な敷地に立つ古い屋敷に一人で住んでいる。息子は年に2回しか訪ねてこない。
愛犬のフィラが唯一の話し相手だ。時折、近所の子どもたちが庭に侵入してブランコで遊んでいるので注意したり、音楽クラブの子どもたちが演奏する様子や隣家の女が愛人といるのを双眼鏡でのぞく日々。
アニェラは息子と暮らしたいと思っているが、息子の家族にはその気持ちはない。
彼女は思い出のいっぱいつまったこの家を去りたくはないので、この家を買いたいといってくる男には、その申し出を頑として拒んでいた。しかし、ある夜、息子の裏切りを知ることになる。
自分の育て方が間違っていたのかと嘆くアニェラ。一時は絶望の淵に沈んだ彼女だったが、きっぱりと息子を諦め、ある決断をするのだった。
アニェラにとって、古いこの家は彼女の人生そのもの。年老いているからといって、自らの望みを捨てることはない。自分にとって最良で、そして誰かのためにも役立つことを選択するのだ。
老後を家族に頼れなくなったら、自分で行動するしかない。それは誰もができる選択ではないけれど、たとえ足腰が弱り、物忘れがひどくなったとしても、その人の一生の終わりにふさわしい場所というのはあると思う。
老女の気概に拍手したくなるような映画で、モノクロの雰囲気もストーリーによく合っていた。
by mint-de | 2011-11-30 13:26 | シネマ(あ~そ) | Trackback
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