碧草の風

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『解錠師』

『解錠師』 (スティーヴ・ハミルトン 越前敏弥訳 ハヤカワ・ミステリ)

鍵を開けることに興味をもった少年マイクルは、その「才能」を見出されたがために、危険な仕事を請け負うはめになる。
金庫破りのミステリではあるが、全編を貫くマイクルが愛するアメリアへの一途な思いと、その純粋さに共感してしまう青春小説といった味わいもある。
金庫破りのシーンはスリリングだが、解錠の仕組みを説明されるくだりには興味がないのでちょっと閉口した。こんな人がいると思うと、鍵をかけても安心はできないと不安になった。

マイクルは8歳のときの事件がもとで、話をすることができなくなった。
伯父に引き取られたマイクルはあるときから錠を開けることに夢中になる。
そして他人の前でその「技」を披露してから、とんでもない道に引きずりこまれることになる。ただ、そこには新たな出会いもあった。
しゃべれないマイクルの沈黙と、マイクルとアメリアが心を通わせる手段となる絵や漫画。言葉はなくとも通じ合うことはできるのだ。マイクルがずっと探していた彼の心を開く鍵は、アメリアがもっていたのだ。
軽快なテンポで、解錠師になる前とその後のシーンが交互に語られる構成も面白かった。
by mint-de | 2012-01-13 13:33 | 私の本棚 | Trackback
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