碧草の風

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『ねじれた文字、ねじれた路』

『ねじれた文字、ねじれた路』 (トム・フランクリン 伏見威蕃訳 ハヤカワ・ミステリ)

少年時代の抒情的な描写に、しみじみとした余韻を感じるミステリだ。
ホラー小説が好きな内気なラリー(白人)と、野球が得意なサイラス(黒人)。
少年時代に友人として過ごした楽しい日々。
だが、あることでその友情の絆は消えてしまう。
それから25年後、自動車整備士のラリーは何者かに撃たれた。
治安官の仕事をするサイラスは、ずっと会っていなかったラリーの「異変」に気付く。
それから、二人の路は、また交わることになったのだが…

ラリーは、ある事件の容疑者となってから、ずっと周囲から除け者にされてきた。
孤独に生きてきたラリーだが、自暴自棄にもならず、諦念のような気持ちをもって生きている。
もしもサイラスがもっと前に真実を話していたら、ラリーの人生は違ったものになっただろう。
ラリーの描写にはやるせなさが募り、この小説を印象深いものにしている。
彼らの今後を、ミステリとしてではなく普通の小説として読んでみたい、そんな風に思える作品だ。
by mint-de | 2012-04-13 16:02 | 私の本棚 | Trackback
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