『特捜部Q ーPからのメッセージー』

『特捜部Q ーPからのメッセージー』 
(ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫・福原美穂子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

前作は期待外れだったけれど、これは面白かった!
助けを求めて、少年は自らの血で手紙を書いた。それを瓶に入れて海へ。
果たして、その瓶を誰かが手にすることはあるのだろうか?
冒頭から気になる展開で、どんどん引き込まれていった。
冷酷な犯人は、かなり気味が悪い。でも、彼がどうしてそういう人間になってしまったのかが細かく描かれているので、ラストの「チャップリンだ」と名乗るシーンには哀れさが漂う。
宗教とか信仰心についても考えてしまう。
スリリングな展開ながら、警部補カールと、彼を取り巻く人々との絡みはユーモアたっぷりで、このギャップが不思議な魅力になっている。
それにしても強烈なキャラ揃いで、離婚したがらない妻のヴィガや、仕事は優秀だけれど謎めいている助手のアサドと個性的なローセなど、ものすごい人たちが登場する。
中でも驚いたのが、ローセ!
姉ユアサの行動は疑問だったが、結局そうだったのかということになるのだけれど、カールもアサドも実に寛容だ。
人物描写も巧みで、上手い作家だなあとつくづく思う。
翻訳もとても読みやすく、こちらの上手さにも感心した。
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by mint-de | 2012-08-30 15:43 | 私の本棚 | Trackback

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