「東ベルリンから来た女」

1980年の旧東ドイツが舞台。
恋人のいる西ドイツへの移住申請を却下された女医バルバラが、田舎の病院に左遷されてくる。
バルバラは、秘密警察に監視されながらも、恋人ヨルクと密かに会い脱出の機会を待っている。
病院の医師アンドレは、バルバラの事情を知りながら、彼女に好意を寄せ優しく接してくれる。
ある日、施設で働くステラという少女が脱出しようとして怪我を負い、病院に連れてこられる。
過酷な状況にいるステラに同情したバルバラは、彼女に親切に対応する。その結果、ステラはバルバラを頼るようになる。
ヨルクが手配してくれた脱出の日、バルバラの前にステラが現れた。
バルバラは、人として医師としてある決断をするのだった。

地味な映画である。緊張感のある展開を期待していたけれど、正直、ちょっと退屈した。
でも、かつての東ドイツに暮らした人々の大変さはわかる。何かあるとすぐに秘密警察がやってきて、部屋をチェックして身体検査をされるような日々。一度目をつけられると大変だ。
バルバラのラストの決断が、この映画のテーマになるのだろうけれど、そのシーンに物足りなさを覚えるのは私だけ? 私としては、ラストのあとにもう少しシーンを追加してほしかった。
バルバラのその後を描くことで、彼女の意志が鮮明に伝わり、よりインパクトがある気がするのだけれど…
アンドレの存在がバルバラの心に変化をもたらし、アンドレのようにその地で生きることも一つの生き方ではあると思った。
(2012年 ドイツ映画 監督クリスティアン・ペッツォルト)
by mint-de | 2013-01-22 15:18 | シネマ(た~ほ)