碧草の風

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『喪失』

『喪失』 (モー・ヘイダー 北野寿美枝訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

2012年度のMWA賞最優秀長編賞をとった作品。
読み始めたら、やめられなくなる!
とっても面白かった!

ただのカージャックと思われていた事件は、車内の少女をねらったものだった。
事件の担当になった警部キャフェリーは、犯人に振り回されながらも事件を解決に導くのだが、彼よりは、フリー・マーリー巡査部長の活躍ぶりのほうが光っている。もっとも彼女の行動は、あまりほめられた行動ではないが…。
ラストはファタジーを読んでいる気分になるが、緊張感に満ちた流れから安堵の展開に落ち着くには、ふさわしい描写かもしれない。
小さいころに兄を殺されているキャフェリー、とんでもない秘密を抱えているマーリー、哲学者めいたホームレスのウォーキングマンの人物像も興味深い。
そして被害者の家族、特に母親の子どもへの愛情には心打たれるものがある。
被害者側の心情も丁寧に描かれていて、ミステリの範囲にとどまらない面白さもあると思う。
by mint-de | 2013-02-19 14:21 | 私の本棚 | Trackback
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