碧草の風

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『母の遺産』

『母の遺産ー新聞小説』 (水村美苗 中央公論新社)

図書館で予約したときは80番目だった。やっと読むことができた。
親の介護、夫の不倫、祖母と母の恋愛をテーマにしつつ、副題の「新聞小説」についても語っている。
介護では、自分にも経験があるので身につまされて読み、祖母と母の話では、その生い立ちや二人とも婚家を飛び出して別の男の人と一緒になっており、祖母にいたっては当時の新聞小説『金色夜叉』に影響を受けたという話を面白く読んだ。
水村さんの実際の経験も含まれているという。お母さまは、高齢になってからご自分の経験を『高台の家』という本に著しているというので、その本も読んでみたいと思った。
わがままな母親に早く死んでほしいと願う娘。
娘の大変さはわかるが、読んでいくうちにこの母と祖母のほうに興味がわいた。
娘の美津紀と夫との関係はどちらかというと陳腐で、母親の死後の描写は長すぎる気がした。
母や祖母の恵まれたとはいえない生い立ちであっても、その後の積極的な生き方に対して、美津紀の生き方が消極的と映るせいかもしれない。
離婚によって、やっと美津紀は自分らしく生きることができるようになったのだ。それもまた、母の遺産といえるのかもしれない。
by mint-de | 2013-03-28 15:21 | 私の本棚 | Trackback
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