刑事フォイル 第1話 

ドイツ人の女

AXNミステリーの一挙放送を録画したものの、戦時中の警察ものということで重苦しいストーリーを想像してしまい、なかなか見る気になれなかった。でも見始めたら、心に響く内容でとても気に入った。

1940年のイギリス。クリストファー・フォイル(警視正)は、戦時中の警察の仕事にやりがいを見いだせず、国の役に立つ仕事を求めて転属を願っていた。
しかし、その願いはサマーズ警視監に却下され続けている。サマーズは、フォイルに配慮して、運転手をつけると約束してくれる。
輸送部隊から引き抜かれたサマンサ・スチュアート(サム)は、元気よくフォイルの前に現れる。女性ドライバーに驚くフォイル。

戦時下のイギリスでは、外国人には登録制度があり、そのランクによっては収容所で過ごさなければならない人たちもいた。あるユダヤ系の音楽教師は、カメラを持っていただけでスパイの嫌疑をかけられ収容所送りになってしまう。
その教師の甥が、かつて働いていた治安判事のもとを訪れ、なんとか収容所から出してもらえないかと頼みにくる。だが、判事は無理だと断る。甥は、奥さんはドイツ人なのに、収容所に入っていないという言葉を残して出ていく。
その後、その判事の妻が、殺されてしまう。

フォイルは、町にドイツ軍の爆弾が投下され若い娘が亡くなったこともあり、住民たちがドイツ人を恨む気持ちもあるので、その線から考えるが、事実は違っていた。判事の娘の婚約者マイケルが、かつて関係があった判事の妻が邪魔になって殺したのだった。

もう一人別の男も殺しているマイケルはフォイルを前にして、「自分は軍の重要な任務についている。自分を逮捕しても国のためにならない。自分がいないことによって、多くの国民が犠牲になるかもしれない。殺した者たちは、ドイツ人やケチなごろつき」というのだった。

私はこの言葉に呆れた。それじゃ、重要な仕事をしている人は、何をしてもいいことになる。もっともあの時代は、そういう考えもありだったのかもしれない。力のある人間だけが、うまいこと生き抜いていたのだろう。
判事もニセの診断書を書かせて、妻を収容所に入れさせなかったのだから。

フォイルは、音楽教師を収容所から出してやる。あなたは入ることはなかったといって。
フォイルは、マイケルを逮捕したことで、自分のやるべき仕事を再確認したようだ。
フォイルは、サムのほかに戦地で怪我をして片足を失った、元警官ポール・ミルナーを部下にする。

フォイルの息子アンドリューは数学の研究者だが、空軍に入隊することになり、配属前にフォイルを訪ねてくる。つかの間の休暇に、釣りに出かける父と息子。不安な気持ちを押し隠し、その時間を楽しむ様子が切ない。

ドイツ軍の攻撃に脅えながら暮らす人々。ドイツ系の人間を見て疑心暗鬼になる人々。戦争によって、罪のない人間が苦しむ日々。その理不尽な空気が漂う社会で、毅然として仕事をこなすフォイルの姿が胸を打つ。
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by mint-de | 2014-06-10 13:53 | 海外ドラマ(英A~F) | Trackback

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