雨は土地の名を、街の名を、通りの名を恋人のようにもっている。
雨は、街の言葉だ。雨の言葉が語るのは、街角にかくれている街の物語だ。
雨に街が滲んでいる。滲んだ光景がいつかこころに滲んでいる。
悲しみのように、街の雨はこころにしみをのこすのだ。


(長田 弘 『記憶のつくり方』 晶文社・「雨の歌」から)

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by mint-de | 2007-09-22 15:28 | 詩と言葉から

見たり聞いたり、日々思うことをあれこれと…


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