碧草の風

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信仰とは…

『沈黙』 (遠藤周作 新潮文庫)

久し振りにこの本を読んだ。
昔も深く感動したが、今回もこの本の世界にいろいろ考えさせられた。

信仰心とは何か。
自分の命を犠牲にしてまでキリストの教えを守ろうとするその強さは一体どこからくるのだろう。

その当時の農民の貧しさゆえに、死後の天国の世界はとても魅力的なものとして受けいれられたのかもしれない。
でも私は棄教した神父のフェレイラやロドリゴのほうに興味がわく。
実際にフェレイラは存在していたという意味で、彼は日本で死ぬまで、何を思い何を生きる糧にしていたのだろう。

ローマ教会からは蔑まれ、日本人からは「転び」と揶揄され、江戸幕府に飼われて、日本という異国で生命を終えた宣教師。

キリシタンの農民の命を救うために棄教した彼の行為を、私は責められないと思う。
それが神の御心でないとするなら、生きたいと願う命を救えなければ、祈りも何も無意味だと思う からだ。

宗教学的にいえば違った解釈になるかもしれないけれど、キリスト教の最大のテーマは、「自己犠牲による愛」だそうだから、彼は己の信仰心を犠牲にして、他のキリシタンを救ったということにならないだろうか。そのへんのことは分からないけれど。

ただ、私はフェレイラは心の中ではずっとキリスト教を捨ててはいなかったと思う。

彼は沈黙していただけだという気がする。

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by mint-de | 2007-09-25 12:42 | 私の本棚 | Trackback
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