碧草の風

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「Dearフランキー」

「Dearフランキー」  (2004年 イギリス映画)

監督・プロデューサー・脚本が、女性による映画。
細やかな描写がいかにも女性監督の作品らしい。
どこかモノクロ映画を思わせる静かな語り口で、終始、抑制が利いている。
スコットランドの海の風景も、とても印象的だっだ。
少年フランキーの父親への慕情と、フランキーを見守る母親リジーの心の葛藤を描いている。

リジー役のエミリー・モーティマーは撮影時、妊娠5か月だったそうだ。そんな時期でもGパンがはけるなんて、さすが女優さんです!
そして、父親の代役を引き受ける男役のジェラルド・バトラーは、彼自身、親の離婚で16歳まで父親に会ったことがなかったそうである。彼は、この役には、適役だったといえる。
出演シーンは少ないが、優しくて、男らしくて、とても存在感のある演技だった。

グラスゴー近郊の海辺の町に越してきたフランキーは、難聴ながらも明るい少年だ。
船に乗っている父親に1か月に2回手紙を書くのを楽しみにしている。
父からは、切手入りの返事がくるが、しかし、それは、すべて母リジーが書いていたものだった。
リジーの母ネルは真実を話し、嘘の手紙はやめるように忠告するが、暴力をふるう夫から逃れてきたリジーは、なかなか息子に真実を話すことができない。
そんなある日、フランキーは父の乗っている船が、町に寄港することを知る。友人は、フランキーが父親に会えるか賭けようと、いってくる。
町にやってくるのに、連絡をしてくれないのは、自分に会いたくないからだと落胆するフランキーを前にして、リジーは、さらなる嘘を考えてしまうのだった…。

私は、本当のことをいつリジーが打ち明けるのか、そこに興味があったのだが、その点は実にあっさりと描かれていて、ちょっと物足りなさも感じている。
でも、この親子を見守るリジーの母や、店を切り盛りする親切なマリー、そして父の代役を引き受ける男の、謎めいているけれど、穏やかで優しい眼差し、そのほかの登場人物も皆いい人で、とても後味のいい映画だった。
以降はネタバレです。


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リジーは、余命いくばくもない夫の願いを聞き入れず、最後まで息子を会わせようとしなかったけれど、私は、実の父に会わせるべきだと思った。
どんな父でも、フランキーにとっては、ただ一人の父親なわけだから。その父をどう思うかは、フランキーが考えることだと思う。
それから、代役の男が実の父ではないと、どうして知ったのかは、あの映画ではちゃんと描かれてはいなかった。聞こえないふりをして、大人の失言を聞いていたのかもしれないが、そこは重要なことなのだから、はっきり描いてほしかったと思う。
フランキーが気づき、彼なりに乗り越える姿が描かれていないので、バスの中で、リジーが事実を知ったフランキーの手紙を読むシーンが、唐突に思える。

息子を思う母の、あふれるほどの愛情がつまった映画だけれど、リジーは、いつも元の夫の影におびえていて、ちょっと神経質で頼りない母親というイメージもある。息子の方がよっぽど大人といえるかもしれない。

私が一番好きなシーンは、代役の男が熱帯魚の本をフランキーにプレゼントするシーン。
彼の優しさは、リジーじゃなくとも涙が出ます。
それから、二人が海で遊ぶシーンも、とても心温まる、いいシーンだった。

私は、リジーとマリーの弟が再会できることを願っている。ぜひ、続編を作って、今度は二人の恋物語をフランキーが応援するストーリーにしてほしい。ジェラルド・バトラーの出演シーンをいっぱいにして(^^)。
by mint-de | 2007-09-25 15:13 | シネマ(た~ほ) | Trackback
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