碧草の風

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「向かいの窓」

「向かいの窓」   (2003年 イタリア・イギリス・トルコ・ポルトガル映画)

2004年のイタリア映画祭で上映された映画。シネフィル・イマジカの放送で見ることができた。

夜勤の仕事をもつ夫に不満を抱きながらも、二人の子どもを育てているジョヴァンナ。ジョヴァンナは夫と街を歩いているとき、一人の老人に出会う。その老人は記憶をなくしていた。みかねた夫は老人を家へ連れてくる。善良な夫への苛立ちから、ジョヴァンナはその老人に冷たくあたるが、次第に老人の行動に興味をもちだす。

ジョヴァンナの慰めは、一日の終わりに台所でタバコをすうこと。彼女の目は、いつも向かいの窓に吸い寄せられる。そこにはエリート銀行員ロレンツォの姿があった。あるとき老人がいなくなり、偶然居合わせたロレンツォとジョヴァンナは言葉を交わすようになる。

ジョヴァンナと夫との微妙な心のズレ、ジョヴァンナとロレンツォの不倫、そして、ジョヴァンナと老人との心のつながりが描かれる。次第に明らかになる老人の過去はとてもつらい。ジョヴァンナや老人を通して、夢を持ち続けることや愛を貫くことの難しさが伝わってくる。やりきれない日々もある。思うようにならないときもある。でも、ジョヴァンナは、「去っていく人はみな何かをのこしていくのね」、そういいながら、ラストでは微笑むのだ。

多分、ジョヴァンナは大好きなお菓子を作りながら、夫と子どもと、これからも今までのように生活していくのだろう。地味ながらとても見ごたえのある映画だった。(シネフィル・イマジカ)(2006年6月記)
by mint-de | 2007-09-27 15:54 | シネマ(ま~わ)