追憶の街

「追憶の街 エンパイア・フォ-ルズ」

WOWOWで放送された(2007年3月)アメリカのドラマ。
久し振りに、しみじみとした思いに浸れる人間ドラマを観た。
川の流れのような人生を、流れに逆らうことなく生きてきた主人公と街の人々。
メイン州のノックス川流域にある平凡な街エンパイア・フォ-ルズは、かつては織物や製紙工場で栄えた街だった。今は、朽ち果てた建物だけが残り、住民たちは、かつての繁栄をもたらしてくれそうな企業が現れるのを、ずっと待ち続けている。

マイルスは、工場を経営していた街の実力者、ホワイティング家の妻フランシーンからレストラン「エンパイア・グリル」を任され、フランシーンの死後は、レストランを譲り受けるという約束を信じて日々働いている。妻とは離婚、娘は高校生、そして、刑務所を出たり入ったりしていた父と、レストランで一緒に働く弟、妻の母、妻の再婚相手、そしてフランシーンの娘、彼らの日常を通して、生きていることの確かさが、静かにそして力強く伝わってくる。

マイルスには、忘れられない母との思い出がある。父親が刑務所に入っているときに、母に連れられて行った島での出来事。見知らぬ男性と、母の幸せそうな顔。母の死後何十年も経ってから、マイルスは、その男が誰であるか気付くのだ。ある日、マイルスはいつも支配的なフランシーンから離れることを決意する。いままでの浅瀬に佇んでいるだけの人生から、勇気をだして川の流れの中に身を置くことにしたのだ。だが、その後、娘の学校で悲劇が起こる。心に深い傷を負った娘を連れて、マイルスは、あの思い出の島に出かける。

島で子ども時代の思い出をたどりながら、自分がいなければ、母はあの男と幸せな人生を送れたかもしれないという思いにとらわれるマイルス。母の看病をするために大学をやめて帰ってきたマイルスに「人生を無駄にしないで」と叫んだ母。立ち直りつつある娘に、「自分の心を偽ることはするな」「いろんな経験が人を強くする」と語りかけるマイルス。

その後、工場だった建物は、新しい企業が買い取り、街は活気を取り戻す。でも、マイルスのレストランは、今までと変わりはない。その昔、原住民が守り、白人達が利用して汚染された川は、ときには洪水で被害をもたらし流域にゴミをためたが、今では魚が泳ぐ川になった。エンパイア・フォ-ルズの日々は、これからも静かに続いていくのだろう。
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by mint-de | 2007-09-27 16:15 | 海外ドラマ(S~U) | Trackback

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