雨の春分の日

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暑さ寒さも彼岸までというけれど、寒い春分の日の昨日、甥の家にいって、実家の仏壇にお線香をあげてきた。仏壇には、兄夫婦と両親の写真が窮屈そうに並んでいる。法事をまとめてやれるのが、せめてもの慰めかなどと不謹慎に思ったりする…。

帰ってから、我が家の墓参り。お墓はすぐ近くなので、とても便利(なんて、いっていいのだろうか^^;)。雨のなかでも、墓前には色とりどりのお花が供えられていて、墓地とはいえ、心が和む風景だ。無縁仏や水子地蔵の前にも、お米や小銭が供えられていて、見知らぬ霊を供養する人々の優しさを感じる。

ここの墓地は南向きなので、天気がよいと気持ちがいい場所だ。墓地の周辺だけ高い建物がないので、空が広く見える。いつか自分もこの場所に眠るのだなあなどと、以前は考えたくもないことだったけれど、身内の死を見続けると、不思議と抵抗なく思えるようになった。人気のない墓地で、そっと目をつぶり、街の騒音や樹木のざわめきを聞いてみる。何も感じない世界を想像してみる。でも、思うのは、自分が生きているということだ。

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by mint-de | 2008-03-21 13:10 | 木陰日和