「ディファイアンス」

「ディファイアンス」  (2008年 アメリカ映画 監督エドワード・ズウィック)

実際にあった話。そのことに圧倒される。
生と死のギリギリの境界線上を、綱渡りのように歩かざるを得なかったユダヤ人たち。
人間らしく生きたい、その思いで3年もの間、森の中に隠れ潜んでいたという。

1941年夏、ナチス・ドイツ軍に侵攻されユダヤ人狩りが始まった町から、多くのユダヤ人たちが、ベラルーシの森に逃げ込んでいた。ビエルスキ家の兄弟たちも、両親を殺され、森に潜んでいた。トゥヴィア、ズシュ、アザエル、アーロンの4人。やがて、トゥヴィアたちの回りには、逃れてきたユダヤ人たちが集まり、その数は次第に増えていく。

復讐に燃えるトゥヴィアたちは、武器を奪い、「ビエルスキ・パルチザン」を名乗って、ドイツ軍の兵士や協力者を殺し、食料を強奪していくが、あることをきっかけに、トゥヴィアの考えが変わる。敵と戦うのではなく、動物のように扱われているユダヤ人が、「自由を取り戻し、人間らしく生きるため」に戦うのだと。トゥヴィアは、死を待つしかないゲットーの収容者にも呼びかけ、森の中に、共同体をつくっていく。

しかし、弟のズシュは兄の考えには同意できず、「本物の戦いをする」といい残して、ソ連赤軍に加わってしまう。喧嘩別れのようになってしまった兄弟だったが、共同体の危機を救ってくれたのは、ズシュだった。そして、トゥヴィアが打ちのめされそうになったとき、みんなを鼓舞したのはアザエルだった。普通の商店主や農民だった兄弟たちは、困難な状況のなかで、たくましくなっていったのだ。

飢えをしのぎ、寒さに耐え、敵から逃れるために命からがら移動し、敵の攻撃に怯える日々。リーダーとしてのトゥヴィアの苦悩。共同体のなかでは意見のくい違いや争いもある。それらを乗り越え、彼らは、森の中に病院や学校までつくり、町に姿を現したときには、1200人にもなっていたという。

森の中では、恋も芽生え、結婚式もある。
不自由な生活ではあるけれど、心の自由は奪われてはいない。
生きるという強い意志に支えられた彼らの強靭さに、心を打たれる。

ダニエル・クレイグのボンド役は一作しか見ていないけれど、この実直そうな役のほうが合っている気がした。
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by mint-de | 2009-02-19 14:51 | シネマ(た~ほ) | Trackback

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