「夏時間の庭」

夏の光に輝く庭の花々や木々、フランスの田舎町を連想し、勝手に想像をふくらませて観に行った。
残念ながら、私が期待していたほど詩的な雰囲気はなく、親が遺した家や価値のある美術品を、どう処分するかといった話がメイン。その過程で、思い出って何なのだろうとか、歴史ある絵画や彫刻は美術館に展示されるのがベストなのだろうかとか、観終わったあとで考えてしまった。

画家だった叔父が遺した家に住んでいた母親が、亡くなった。長男は、母親から、自分が亡くなったら家も膨大な美術品も処分するようにいわれていたが、その場所に愛着があった長男は、妹と弟にそのまま残して使おうと提案する。しかし、妹も弟も、海外に暮らしているので滅多にこれないしお金も必要なので、処分したいという。長男は自分の考えに固執せず、二人の意見に従うので、もめることもなく、スムーズにことが運んでいって、逆にその淡々とした進み具合に、過去のなかに埋もれてはいられない寂しさを感じた。

お手伝いの女性が、価値のある花瓶に無造作に花を入れる。その花瓶が、後日、美術館に展示される。
使われる花瓶と、ただ置かれている花瓶。家も、モノも、使うからこそ、愛着がわく。
そして、それぞれの思い出になる。
誰かの心に残ったモノは、また誰かの記憶に生きつづけるのかもしれない。
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Tracked from 富久亭日乗 at 2009-05-24 10:04
タイトル : 映画「夏時間の庭」(2008年、仏)
     ★★★☆☆  パリ郊外の旧家を舞台に 膨大な美術コレクションを巡る家族の物語。  原題は「L'HEURE D'ETE」。             老婦人Hélène(Edith Scob )には 子供が3人いる。 大学教授の長男Frédéric(Charles Berling )はパリで、 デザイナーの長女Adrienne(Juliette Binoche )はニューヨークで、 ビジネスマンの二男Jérémie(Jérémie Renier )は上海で それぞれ暮らしている。 夏のある日。 ...... more
Tracked from LOVE Cinemas.. at 2009-05-26 20:45
タイトル : 夏時間の庭
フランスのオルセー美術館の20周年企画として全面協力を受け制作された作品。フランスらしい豊かな風景の中に描かれた家族の絆はとても温かいものでした。主演は『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカー女優となったジェリエット・ビノシュ、長男役のシャルル・ベッリング、『ロルナの祈り』のジェレミー・レニエの3人。数々の本物の美術品が登場する点も見逃せません。... more
Tracked from かりんのつれづれなるblog at 2009-06-19 07:12
タイトル : 夏時間の庭
フランス映画「夏時間の庭」をみてきました。 東京では銀座のテアトルシネマのみなの... more
Tracked from ketchup 36oz.. at 2009-06-20 07:30
タイトル : 『夏時間の庭』 フランス映画の存在感を改めて感じさせてく..
『夏時間の庭 / L'heure d'ete』 監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ、エディット・スコブ、ドミニク・レイモン、ヴァレリー・ボヌトン、イザベル・サドワイヤン、カイル・イーストウッド 他... more
Tracked from 映画と出会う・世界が変わる at 2009-08-01 14:38
タイトル : 夏時間の庭■この映画はフランス文化政策のスポークスマンである
美しい光に満ちた作品である。見ていて実に気持ちが良いこの作品は、ハリウッド映画がアメリカの政策の世界への発信機能を担ったいる一面があるように、フランスの文化政策のスポークスマンであることに気がつく。それは単にオルセー美術館20周年企画としての映画であるか...... more
Tracked from 心の栄養♪映画と英語のジ.. at 2009-12-16 12:13
タイトル : 「夏時間の庭」
パリ郊外の家々と自然が、とても温かくて美しくて慈愛に満ちていて・・... more
by mint-de | 2009-05-21 15:28 | シネマ(た~ほ) | Trackback(6)

見たり聞いたり、日々思うことをあれこれと…


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