『1Q84』 

『1Q84』 (村上春樹 新潮社)
久し振りに読んだ村上春樹の長編は、おばさんの脳内細胞を活性化してくれた。
リトル・ピープルがつくる空気さなぎ、二つの月、1984年じゃなくて1Q84年など、いろいろ想像をたくましくしないと、『1Q84』の世界には、ついていけないのである。
面白そうなものがあるから、その先まで走ってみてこようといわれ、必死についていったおばさんは、結局、そこに面白いものがあったのかどうか、わからなかったというのが、正直な感想だったりする(^^;)
もちろん、簡潔な文体や的確で詩的な比喩は、気に入っている。
その物語の世界に浸っているぶんには、とても心地よい。
いろんなことを教えられて(ギリヤーク人の話とか哲学者の言葉とか)、頭脳に新鮮な空気がもたらされた気分でもある。それって、面白かったということなのかな(^^)

「青豆の話」は、天吾が書き始めた小説の世界かなと思ったりしたのだけれど(BOOK1の550ページ終わりの4行)、そう思ったのは私だけ?
青豆が宗教団体のリーダーを別の世界に送り込む前に、いろいろ話をするけれど、それがあまりにも説明的でリーダーが語りすぎだったのが気になったのと、青豆が殺す相手の話をそんな風に聞くだろうかとか、天吾が認知症の父親に本当の父親のことを聞くのは、それは無理だろうとか、疑問に思った所もあったけれど、そんなことはどうでもいいことなのかも…。

善悪のバランス、人間とそのかげ、今ある世界と別の世界など、もろくて境界のあいまいな世界を生きているという感覚は、とても不安で切ないものだ。何もかもが不確かな世界では、何を信じて生きていけばよいのだろう? ここでは、人を愛する心があれば、一応生きていけるといっている。
天吾が20年も前に手を握った青豆の手の温もりを、ずっと忘れなかったように、愛する心を持ち続けていれば、人は生きていける、らしい…。
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by mint-de | 2009-06-09 20:45 | 私の本棚 | Trackback

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