碧草の風

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「レスラー」

「レスラー」 (2008年 アメリカ映画 監督ダーレン・アロノフスキー)

格闘技を見るのは好きじゃないけれど、一人の男の生き方に興味をひかれ観にいった。
ミッキー・ロークの実人生と重なった映画評が多いけれど、私は、別の俳優が演じたとしても、この映画に共感したと思う。
主人公のプロレスラー、ランディは、孤独な男。
身も心もズタズタで、はた目には哀れっぽく映るけれど、命を削っててもプロレスをやっていたいと思うその気持ちに、好きなように生きる人間の潔さと自由を感じて、凡人の私は、とても羨ましいと思った。

プロレスラーのランディは、20年前はラムの愛称で呼ばれる人気者だったが、今は、肉体も衰え、週末だけ巡業にでかけ、あとはスーパーのバイトで稼ぐ日々。
長年、薬を栄養剤のように服用していたせいか、ある日、心臓発作で倒れてしまう。
医者からもうプロレスは無理だといわれ、引退を考えるが、娘と好きな女に背を向けられたとき、ランディは、たった一つの生きがいのために、もう一度、リングに立つことを決意する。

ランディが好意を寄せるストリッパーのキャシディは、ランディとは、対照的な生き方だが、普通は、彼女のように生きていくと思う。守らなければならない人がいたり、愛する人のために生きるには、自分だけが満足する生きかたではやっていけない。それ以上は進めない境界線のようなものがあるから、人は、そこで立ち止まるしかない。でも、誰かのためにではなく、たった一人の自分のためだったら、自分が満足するように生きたっていいだろう。文句をいう相手はいないのだから…。

ランディが、かつて脚光を浴びたプロレスラーたちのサイン会の場所で、今は車いすに乗ったり、足が不自由になってしまったプロレスラーたちを見るシーンがある。私は、そこに人生を重ねてしまった。
ずっと栄光のままではいられないし、いつまでも若くはない。衰えと共に生きていくしかない。
昔の栄光をバッチのように付けておくか、いつまでもその光を追い求めるか、それはその人の自由だと思う。
by mint-de | 2009-06-17 14:50 | シネマ(ま~わ) | Trackback
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