碧草の風

mintmmks.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2017年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

『琥珀のまたたき』

『琥珀のまたたき』 (小川洋子 講談社)


切なさに満ちた幻想的な小説だ。
母親から、壁の外に出てはいけないといわれた3人の姉(オパール)と弟(琥珀、瑪瑙)。
末娘の死を受け入れられない母親は、娘の死を魔犬に襲われたせいだという。その話を聞かされた姉弟たちは、家の敷地から出ることを禁じられる。
母親が仕事に出かけると、3人は父が残した図鑑から社会を学び、庭で遊びながら自然に触れる。奇妙な生活だが、3人はそれなりに日々を生きていくのだ。
限られた空間を、想像力を使ってきらめく一瞬にする。
琥珀が編み出した、図鑑を使って妹を映し出す方法は、とても小さくて、ささやかなもの。
この作品は、その小さきものと切ないもので満たされている。
非難されるべき母親でさえ、哀れで同情を誘う。
年老いた琥珀が、図鑑を使った展覧会をやり続けるのは、決して自由ではなかった日々でも、かけがえのない日々がそこにあったから。人は、今を生きていても、過去の思い出がその人の今を作っているのだと感じた。


by mint-de | 2017-03-28 15:38 | 私の本棚 | Trackback

14歳

我が家のワンコは、ついに14歳になった。
見た目は元気だが、体はかなり衰えてきた。
14年というのは、結構長い年月だ。
食べて、散歩して、寝る。
それが彼の一日。ずっとそれだけの日々。
周囲の音や匂いに反応しているときもあるが、時々、哲学者が思索しているかのように、庭を見つめていたりする。一体、何を思っているのだろう?
顔をなでてやると、もっとなでろと顔を寄せてくる。
私は、ただなでてやる。

人間と犬。言葉が通じなくとも一緒に暮らせる不思議な関係…
公園を一緒に散歩する私も、彼と同じように年をとっていく。
14年前の自分と今の私。家族を何人か失い、いろんなことがあった。
忙しくとも、天気が悪くとも、犬と一緒に歩いた日々。
何年もたって、犬を飼わなくなったら、きっと犬との日々を懐かしく思い出すのだろう。
公園の木々の葉や花の色、季節を告げる風の音。四季それぞれの日々。
これからも犬の幸せを願いながら、見守っていきたいな。
by mint-de | 2017-03-26 14:18 | 記憶の鞄

「女医フォスター 夫の情事、私の決断」

AXNミステリーの一挙放送で全5話を見た。とても面白かった。
夫の浮気を知った妻の心情が丁寧に描かれていて、愛情、怒り、苦しみなど、信じていた者に裏切られた複雑な妻の思いが、胸に迫ってくる。

医師のジェマは仕事に誇りをもち、家庭では夫のサイモンと息子と暮らし、充実した日々を送っていた。ところが、ある時、愛する夫の浮気を知ってしまう。20代の若い女との不倫。その時から、ジェマの苦しみが始まる。
ドラマはあくまでもジェマの視点で描かれるので、ちょっと気位の高い彼女ではあるけれど、ジェマに同情してしまう。夫の浮気を疑うようになってからの行動は、クールなミステリードラマ的な展開で、結構、緊張感のあるドラマになっている。
何組かの夫婦が登場するが、夫が浮気をするのは男の性でしょうがない面もあり、それを認めてやれる妻は結婚生活を続けられるのだとか。
同時に二人の女を愛せるといい、浮気はしていないと嘘をつき続けるサイモンを見ていると、男ってこういう所があるのかも、などと思ってしまう。
印象に残ったのは、ジェマが元の上司と会話するシーンで、愛する者を亡くした悲しみより、愛する者に裏切られた悲しみのほうがつらいというジェマの言葉。それは違うという気がするけれど、それぞれの悲しみを比べることなどできないのだと思う。
サイモンにトドメの一撃を与えた後、ジェマはやっと前を向いて歩きだすことができるのだった。

これでドラマは終わったと思っていたら、英語版のウィキにはシーズン2の情報が。次にもサイモンが出るらしい。私は、彼はもう出てこなくていいと思っているのだけれど(笑)
どういう展開になるんだろう? 続きが早く見たいな。
by mint-de | 2017-03-14 15:39 | 海外ドラマ(英A~F) | Trackback

クロッカスが咲いた

日差しに春の暖かさを感じるようになった。
庭の花も咲き始め、花の色に気持ちも明るくなる。
世の中、いろんなことが起きている。
その中でも、森友学園の問題には呆れるばかり。
ああいう所でも、子どもを通わせたい親がいることに更に驚く。
日本人でも、実にいろんな人がいるのだなあと、いまさらながら思うこの頃。


d0129295_14283760.jpg



by mint-de | 2017-03-07 14:32