「LOST」 第118話(6-15)

「白と黒」

やっとジェイコブと黒服の男の関係がわかった。二人は双子の兄弟だった。似てないけれど。
黒服の男がなぜ黒い煙になるのかが、ものすごく疑問だったけれど、彼は罰を受けたといっても、ジェイコブに光の洞窟に入れられなければあんな姿になることはなかっただろう。
黒服の男は、死んだ人間の姿を借りて生きているわけだけれど、リチャードに会ったときや前シーズンでジェイコブと話していたときも、あの昔の姿ででていた。ミイラになる前だったからあの姿になれたのかな?

<はるか昔の島>
船が難破し、一人の妊婦が島に流れ着いた。妊婦はクラウディアといった。クラウディアの前に突然現れた女は、クラウディアの出産の手伝いをするが、クラウディアが双子の赤ん坊を産むと、クラウディアを殺してしまった。赤ん坊は兄のほうがジェイコブと名づけられたが、弟の名はわからない。
女は二人の母となった。

二人が13歳になったとき、弟はビーチでボードゲーム(古代エジプトではセネトという最古のボードゲームがあったという)を見つける。弟は海を越えてきたものと想像したが、母は弟のために用意しておいたという。お前は特別だからといって。弟にはすでに海の向こうへの憧れみたいなものがあったようだ。あるとき、イノシシを追っていた二人は別の人間を見かける。島には誰もいないはずなので、戻った二人は母に尋ねる。母はいう。私たちには島にいる理由があるけれど、その人たちは島にいてはいけない人たちだと。そして、二人に目隠しをしてある場所へ連れていく。

人間は皆危険、彼らは来て争い滅ぼし堕落する。いつも終わりは同じ。見つかれば殺されるという母に、弟は聞く。「僕らも人間、殺しあうの?」 母は、大丈夫なようにしたと答えるのだった。
目隠しをはずされた二人が目にしたのは、川の先にある洞窟のなかで美しく輝く光。この温かくて明るい光を守るのが私たちの役目。この光は私たちの体の中にも少しはあるが、人間はもっとほしくなってここからとろうとする。そうしたら、すべての光が消えることになる。私が死んだら二人のうちのどちらかにこの光を守ってもらうと、母はいうのだった。

その後、弟は生みの母の亡霊を見る。母は、弟を、難破してこの島にやってきた他のものが住む場所へ案内し、海の向こうが弟の故郷であり、自分が母親なのだと告げるのだった。夜、弟はひそかに家を出る決意をして、兄にその話をして一緒に他のものたちと暮らそうと誘うが、兄はそんな話を信じられず、弟をなぐってしまう。その騒ぎに、寝ていた母は起き、あんたが母を殺した、いつか島からでていくという弟に向かって、母は、島からは出られないというだけだった。弟が出ていったあとで、母はジェイコブにいい人でいてほしいという。ジェイコブは、母が弟のほうを愛していたことを知っていたが、母のそばにいることにする。

30年後、弟の様子を見に行ったジェイコブは、弟から島を出る方法を見つけたと聞かされる。ジェイコブからそのことを知らされた母は、弟の所へいく。強力な磁場の地下で、光と水と歯車を利用して脱出するという弟に、母はある決断をする。弟の行動を止めるために、弟を気絶させ、地下をつぶし他のものたちを殺してしまったのだ。

死を予感した母はジェイコブを再び光の洞窟まで連れていき、あの洞窟は、生と死、再生、島の源、島の心臓なのだと話し、決して入ってはならないと忠告するのだった。入ったら死よりも恐ろしいことになるといって。そして、ジェイコブに後継者としての儀式を施す。

弟は、すべてを滅茶苦茶にされた怒りで母を殺してしまう(あの短剣で)。兄弟では殺しあえなくとも、母は殺せるのだね? 今度はジェイコブが母を殺されたことで怒り、弟を殴ってあの洞窟まで連れてくると、入ってはいけないといわれていた洞窟の中に弟を投げ入れてしまったのだ。その瞬間、あの黒い煙が洞窟の中から勢いよく流れでてくる。こうして黒煙が誕生したわけだ。

ジェイコブは、母と飛ばされてきた弟の遺体を並べて埋葬した。
ジャックたちが見つけたミイラは、この二人だったのだ。

今回のエピを見たら、弟のほうに同情したくなった。海を見ていたら、島から出たい、あの海の向こうには何があるだろうと思うのが普通。母は、光を利用しようとした弟を助けようとしたのに、その結果は最悪なことになってしまった。ジェイコブは、母が死よりも恐ろしいことが起きるといっていたのに、あの中に弟を入れてしまったということは、かなり、悪いヤツということにならないだろうか?
# by mint-de | 2010-11-01 16:25 | 海外ドラマ(LOST)

示準化石

ひどい雨だ。
朝、どうしようか迷ったが、行かないわけにもいかないのでカッパを着て犬の散歩へ。
これだけ雨が降っていても、晴れた日と同じように歩く犬。
オイラ、雨なんて関係ねぇ~、といっているかのようにズンズン歩いていく。
その元気のよさに感心、感心。
ときどきブルブルッと体を振って水を飛ばし、いつもより短いコースで帰ろうとする私に逆らいながら、お散歩終了。
帰ると、もうやることがないので、小屋の中に入って丸まっている。

犬の頭をなでながら、何を考えているのかなあと思うことがある。
早く散歩に行きたい、ごはん食べたい、寝たいとかそんなことを思っているのかな?
少なくとも飼い主が気に入らないとか、犬小屋をもっと住みやすくしろとか、そんなことは思っていないだろうな。比べるものがないから。

犬のことを考えていたら、先日読んだ記事が頭をよぎった。
名古屋で開かれた生物多様性に関する会議(国連地球生きもの会議)に関連したもので、福岡伸一さんの「多様性は人間だけのものか」(10月28日付朝日新聞「あすを探る(科学)」)という記事。
それによると、生物には持ち場があって、その中で食うか食われるかの緊張関係にあったり、ある物質を還元したり浄化したりする相互依存関係にあったりして、生物はすべての動的平衡を支えるプレーヤーなのだそう。その多様性をかく乱したのは人間であり、進化の歴史が膨大な時間をかけてつくりあげた多様性を独り占めにしようとしている。その行為は、ヒトという種を滅ぼすことにつながるのではないかと警鐘を鳴らしているのだ。
三葉虫やアンモナイトのように、短期間のみ栄えたものを示準化石というのだそうだが、そのように、急速に専有を目指した種は急速に滅びに向かうだろうと述べている。
はたして、何億年か先の未来に人が示準化石になった場合、犬はどうなっているだろう、などと考えてみたりするのだった。
# by mint-de | 2010-10-30 16:45 | 社会畑

「隠された日記 母たち、娘たち」

「隠された日記 母たち、娘たち」 
  (2009年 フランス・カナダ映画 監督ジュリー・ロペス=クルヴァル) 

母と娘。実の母に捨てられた母は、娘に対して愛情をうまく表現できない。娘はそういう母に素直になれない。まるで透明な板を通して接しているような母と娘。そんな二人だったが、ある事実を知ることによって、その関係に変化が起こる。
親と子の関係というものは、自分が親になって思うのだけれど、親は自分が育てられたように子どもを育ててしまうのではないだろうか。無意識のうちに、親が「教科書」になってしまうのだ。親に似たくはないと思う部分があっても、結局、似たようなことをしていて笑ってしまうことがある。

カナダで働いているオドレイは、休暇でフランスの片田舎に住む両親のもとへ帰ってきた。父は優しく迎えてくれるが、医者の母マルティーヌの態度はとてもクールだ。オドレイは散歩にでて、海辺に立つ祖父の家を眺める。今は無人のその家は、かつて母の家族が暮らしていた家だ。大きな仕事を任されていたオドレイは、集中して仕事をするために、その家を使うことにする。台所を片付けていたオドレイは、そこで古い日記帳を見つける。それは祖母ルイーズの日記だった。

料理のレシピ、子どもへの愛、社会にでたいという願望、夫への不満がつづられた日記を、オドレイは興味をもって読み始める。ルイーズは、夫や子どものもとから突然いなくなった身勝手な女だと聞かされていた。実はオドレイは妊娠していた。子の父親は恋人でもない男。産むことにためらいがあり、自分と母とのことを考えると子の親になるなんて信じられないことだった。迷っていたオドレイにとって、祖母のその日記は、女の生き方や母になることについての参考になった。読み進めていくうちに、オドレイには祖母への印象が変わってくるのだった。

ルイーズは働きたい、自立した女になりたいと願っていたのに、夫がそれを許さなかったのだ。ルイーズは、マルティーヌに勉強して自立した女になることをすすめた。マルティ-ヌは医者として成功したが、母に捨てられたという過去からまだ脱け出せず、誰に対しても辛らつで横柄な態度をとっている。ルイーズのことを話したがらなかったマルティーヌだったが、彼女がその日記を読んだことである真実が見えてきたのだった…

ルイーズの生きた時代は、女性たちにとって自由に生きるには生きづらい時代だったかもしれない。今は普通のことでも、その時代では奇異な目で見られたことだろう。何でもありの今の世の中を生きるオドレイには、選択肢はいっぱいある。それでも、母になること、妻になることは、昔からもこれからも女性にとっては生き方を左右する一大事だ。海を眺めながら考えるオドレイの姿に、いつの時代にも迷う女の普遍的な姿を見る思いがする。

父のせいで辛い思いをしてきたマルティーヌが哀れに思えるが、過去にこだわることなく生きていれば、自分の娘に対してもっと違った態度をとることができたのではないだろうか。
それにしてもマルティ-ヌの父は恐ろしい人だ。

カトリーヌ・ドヌーヴの貫禄あるオバサン化にビックリ。
もっとおやせになると、あの美しさが戻る気がするのですが…
# by mint-de | 2010-10-28 14:24 | シネマ(あ~そ)

手塚雄二展

広告にでていた「雨明」という絵と「一瞬と永遠のはざまで」というタイトルにひかれ、横浜のそごう美術館へ。
手塚さんの絵は、「斬新な発想と独自な美意識」とパンフレットに書かれているように、いわゆる日本画のイメージとはちょっと違う世界観をもった絵だった。油絵を観ているような感じというか。どの絵も「静寂」と「孤独感」に満ちた絵ばかり。
日本画のほうは、どちらかというと暗いイメージだったが、花や風景を描いた素描は明るくて素敵なタッチだった。素描の絵はがきもほしかったけれど、売ってなくて残念だった。
残念といえば、ガラスの入った額縁の絵に、照明のあかりや観ている者の姿が映っていて、絵そのものがよく見えなかった。もっと工夫していただきたいものです。

帰りは中華街に足をのばし、周富徳さんの経営するレストランへ。
ランチが1500円くらいで食べられた。とってもおいしゅうございました(^^)
# by mint-de | 2010-10-27 19:12 | 観て☆聴いて☆読んで

「LOST」 第117話(6-14)

「候補者」

<ロサンゼルス・Flash sideways>
ジャックはベッドの上のロックに声をかける。空港で会ったジャックがそばにいて驚くロックに、手術は成功したと話すジャック。そしてジャックは、昔の傷跡を見たが新しい手術法で麻痺した足を治せるかもしれないと切り出す。しかし、ロックは治ることにはまったく興味を示さず、結構だと断るのだった。そこへヘレンがやってきて、やたら感謝されるジャック。

ジャックは、歩けるようになるかもしれないのにロックが話にのってこないのが不思議で、ロックが3年前に怪我をしたときに緊急手術をした歯科医師を訪ねる。医者はバーナードだった。同じ飛行機に乗っていた、奇遇だというバーナード。話を聞いたバーナードは、一緒に怪我をした男の名を書いてジャックに渡す。そこにはアンソニー・クーパーと書かれていた。
ジャックが介護施設にいくと、ちょうどへレンがやってきた。そこでジャックは、クーパーがロックの父で脳に障害があることを知る。

ジャックが病院に戻ると、クレアが訪ねてきた。クレアは、父から渡されたオルゴールのことを知りたがったが、そのオルゴールがどういうものなのかは、ジャックにもわからなかった。クレアがモーテル暮らしと知ると、ジャックは家にくるようにという。

ロックが退院する日、ジャックは再度手術をすすめる。ロックは自家用機の免許を取ったばかりのとき、嫌がる父に同乗を頼み事故を起こした。父親はそれ以来歩くことも話すこともできなくなってしまったのだ。自分のせいで父が障害者になったのに、自分だけ歩けるようになりたいとはロックは思わないのだろう。そんなロックに、ジャックはいう。自分を罰しても過去は戻らない、君を助けられる、信じてほしいというジャック。失礼するよといいながら、ロックはジャックの言葉に不思議な表情を浮かべるのだった。

ロックと父親の関係は、それまでの世界とは逆だった。もっとも父親には、ロックに申し訳ないという気持ちはなかっただろうけれど。この世界では、ロックがジャックの「候補者」。脚本家のこだわりなのね(^^)。ジャックとロックは、いつ島の記憶が戻るのかな?

<島>
ジャックが気がつくと、そこはハイドラ島。サイードがカヌーで連れてきたのだ。黒ロックがやってきて檻に入れられたソーヤーたちを救出するという。ジャックは、黒ロックに自分は島からでないと宣言するも、島から出たがっているソーヤーたちの救出は手伝うことに。黒ロックはあの煙でウィドモアの部下たちを襲い、ジャックが檻を開ける。皆は、そこからアジラ航空機の場所へ向かう。

飛行機のそばに着くと、黒ロックが先に来ていて飛行機には爆弾があった、まだほかにもあるかもしれないし危険なので潜水艇で脱出しようという。今度は潜水艇に向かうが、ソーヤーはジャックに黒ロックを桟橋から落とせと指示。潜水艇にはソーヤーとフランクたちが先に乗り込んだが、見張っていたウィドモアの部下たちの銃撃でケイトが負傷してしまう。ジャックは黒ロックを海に落とし、クレアは乗り遅れてしまう。自分を乗せずに出航してしまった潜水艇に驚くクレアに黒ロックはいうのだった。乗らないほうがいいと。

艇内に入ったジャックは、ケイトを治療するために自分のリュックを開けて驚く。あの時限爆弾が入っていたのだ。それを見てジャックはひらめいた。黒ロックは皆を一か所に集めて殺すつもりだった。皆が死なないと黒ロックは島から出られない。直接手を下さないのは、それが黒ロックには許されないことだからだ。だから爆弾を解除せずに何もしなければ、何も起こらない。大丈夫だ、信じてくれというが、ソーヤーはそんな考えを信じることができない。ソーヤーが線を抜くと一瞬時間はとまった。しかしまたカウントダウンが始まった。

意を決したサイードは、本島の井戸にデズモンドがいる、黒ロックが殺せといったから彼は重要だ、次はジャックが狙われているというと、爆弾をつかんで駆け出した。そして、爆音が響き衝撃で中には水が入ってきた。サンは機械にはさまれてしまう。ジャックは怪我をしているケイトをハーリーに頼み上がるように指示。機械をどかそうとするが今度はソーヤーが頭をぶつける。ジンは、ジャックにソーヤーを連れてでていくようにいい、自分はサンと残ることを決意。サンは必死にジンに逃げるようにいうが、二度と離れないというジン。水の中で二人はしっかりと手をつなぐのだった。

ビーチに戻ったハーリー、ケイト、ソーヤー、ジャック。サイード、ジン、サンを失ったことを知って泣くハーリー。ジャックも海に向かって涙を流すのだった。

潜水艇が沈んだという黒ロックに、クレアは皆死んだのかと聞くと黒ロックは、皆じゃない、片をつけるというのだった。黒ロックは見なくともわかるらしい。

黒ロックが皆一緒じゃないと脱出できないといっていたのは、ウソだった。皆が死なないと自分が脱出できないということだった。
サイードに良心が残っていたということは、クレアも元に戻ることができるのかな。
サイードとサンは死ぬために戻ってきたようなもの。ジンは子どもに会うより、サンと死ぬことを選んだわけだ。それも愛の形っていうことかな。
しかし、黒煙が人を襲うたびにガッカリ度が増してくるなぁ…
黒ロックは昔生まれて島から出てないわりには、爆弾の知識があるんだね!
# by mint-de | 2010-10-25 15:27 | 海外ドラマ(LOST)