碧草の風

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『探検家、40歳の事情』

『探検家、40歳の事情』(角幡唯介 文藝春秋)

探検の裏話や若いころのとんでもない話を綴ったエッセー。
探検記とは違って笑いながら読めた。でも、タイトルにもある「無賃乗車」には、そこまで書いていいのかと、ちょっと驚いた。
北極の旨いものランキングにでてくるシロクマやほかの動物の味、生の肉に含まれるビタミンの話など、牛や豚、鶏肉しか食べたことのない人間には、「へえ~」とか「ゲッ」とかいいそうになる記述もある。
そして、イヌイットと犬の話には、切なくなるけれど、生きていくことの厳しさを知らされる。人間も動物も命がけなのだと思う。
こういう本を読んでつくづく思うのは、自分が知っている世界がいかに小さいかということ。食や習慣や文化など、私の価値観とはまったく違う世界で生きている人が、世界にはいっぱいいるのだ。
自分が知ることのできない人々や動物、自然の姿など、せめて、こういう本を読んで知っていきたいと思う。だから、角幡さんにもこれからも無事に探検に出かけてもらいたいと思う。
# by mint-de | 2017-02-01 15:46 | 私の本棚 | Trackback

「沈黙―サイレンスー」

遠藤周作は、『沈黙』を書くきっかけについて触れている『切支丹の里』(中公文庫)の中で、拷問や死の恐怖にも屈服せず殉教した者を「強者」、逆に肉体の弱さから棄教した者を「弱者」とし、その「弱者」の悲しみや苦しみに思いをはせたとき、彼らを沈黙の灰の底に消してしまいたくなかった、「弱者」の物語を書くことが小説家である自分の仕事であり、文学とはそういうことを描くことであるといっている。
宗教間の対立で戦いが起きる現代にあって、殉教者を「強者」といってしまうことには抵抗があるが、過去のあの時代、貧しい暮らしの中でキリスト教の教えに心の平安を見出した人たちにとっては、拷問で命を落としても魂が「パライソ(天国)」に落ち着くのは、苦痛の後に喜びが待っていると信じられたのだろう。
だが、拷問される信者たちの苦しむ姿を目の当たりにした宣教師の苦悩は、彼等より深かったといえる。ロドリゴやフェレイラは、棄教してからどういう気持ちで日本にいたのか?
信じてきた神を表面上は裏切った彼らだが、心の奥ではずっと信じていただろうと、私には思えてならない。
それにしても、ここまで切支丹を弾圧する幕府側が怖い。人が信じるものをお上が決めるなんてもってのほか。国を治めるために利用される宗教ほど恐ろしいものはない。
信仰心のない私だけれど、命までも危険にさらされる宗教って何? と問わずにはいられない。
(2017年 アメリカ・イタリア・メキシコ映画 監督マーティン・スコセッシ)
# by mint-de | 2017-01-26 14:35 | シネマ(た~ほ) | Trackback

日の出

久しぶりに犬と朝の散歩。
ちょうど日の出の時刻で、橙色の大きな太陽を見る。
遠い遠い宇宙のかなたから、あたたかな光を送ってくる太陽。
そのはるかな距離を想像することができないほど離れているのに、その遠さをあまり意識せずに見ている太陽。つかの間、とても不思議な感覚にとらわれる。
大いなる宇宙の広さを思うと、なんて小さな地球。
その小さな大地の点より小さな原っぱを歩く私とワンコ。
小さい小さいと思っていたら、小さな姉弟に挨拶される。
山道ですれ違うときにお互いに「こんにちは」と挨拶するように、パパが私を見て挨拶したので、それを真似したらしい。恥ずかしそうにでも嬉しそうに挨拶する姿に、こちらも思わず笑顔になる。
日の出と小さな姉弟が心に残った今日の朝。
# by mint-de | 2017-01-22 15:26 | 木陰日和

甘酒

今日は大寒。暦通りにものすごく寒い。
昨夜のNHK「きょうの料理」で、甘酒を作っているのを見て飲みたいなと思い、残っている酒粕があったので作る。番組では黒糖入りの甘酒を作っていて、とてもおいしそうだったけれど、こんなに寒いのにわざわざ黒糖を買いにでかける気にはなれず普通の砂糖を使う。
私はいつもお鍋に酒粕と水をボンと入れ、粕がとけてきたら砂糖を入れて作っていたけれど、番組では、酒粕を熱湯に浸してやわらかくしてからそのお湯を捨てて、泡立て器でよくとかしてからお鍋に入れて作っていたので、その通りに作ってみた。
味は今までとそんなに変わらないと思ったけれど、コクがでて深い味わいになった気もする。
何事も不精せず、ていねいに作ればおいしいものができるのかもしれないと、あったか~い甘酒で寒い体を温めながら思ったのだった。

ディーライフの「ER」は、シーズン5で終わってしまった。12月放送の録画を昨日見終わり、物足りない気分でいる。2月からは、またシーズン1から再放送するらしいから、5までしか買ってないということ?
テレビ東京でも深夜放送しているけれど、ジョージ・クルーニーの出世作とかいう宣伝文句がついているので、ここも5で終わってしまうかも。
この番組は有名な俳優というよりも、作品そのもの、そして登場人物の造形が見事なので、彼がいない「ER」だって十分見ごたえがあるのに、こういうとらえ方しかできないテレビ局の姿勢にガッカリする。
私は、ジェニーとスーザンが好きなので、6で降板するジェニーと8から復帰するスーザンを早く見たいと思っているのだけれど… 
6以降も放送してくれるテレビ局ないかなあ…
# by mint-de | 2017-01-20 16:26 | 木陰日和

毛玉取り器

セーターの毛玉が目立つので、毛玉取り器を使って取ろうとしたものの、ちっとも取れない。考えてみたら、かなり古いものだったので、新しい毛玉取り器を買うべく、早速、ネットで注文。
夕方注文して翌日の午前中に届いてしまうのだから、ものすごく便利。でも早く着きすぎて、なんだかそれでいいのかという気にもなる。
求めていたものがすぐに手に入る。歩き回って探す楽しみも、届くまで待つ期待感のような気持ちもない。欲しいものはすぐに手に入るのが当たり前とみんなが思うようになったら、ちょっと怖い気もする。
新しい毛玉取り器は、とても調子がよくて、どんどん毛玉が取れる。こういうものも進化しているのだなあ…

去年のお歳暮からお年賀は、お煎餅ばかりいただく。
それで思ったのだけれど、「家族が少ない家にお菓子類を贈るのはやめましょう」という標語をつくりたくなった(笑)
夫も息子も、菓子類はほとんど食べない。だから、いただいたお菓子は、私専用となってしまう。やせたいと思っている身に、お菓子の山!どうする?
意志薄弱な私は、捨てるわけにもいかないと食べてしまうわけです(^^;)
せめて自分は、物を贈る場合は、いろいろ考えて贈ろうと思っている。
# by mint-de | 2017-01-10 15:57 | 木陰日和

お正月

今年は、子どもたちが海外に出かけたので、夫婦二人だけのお正月。
年末から風邪をひいてしまい、なかなか治らなかったので、初詣では近所の神社で済ませ、二日の日は寝ていた。
寝ながら窓を見上げると、日差しがとても明るくて暖かくて、なんだか調子が悪いわりには、穏やかな幸福感のようなものに浸ってしまった。静かな静かなお正月。

今年は、もっと投稿できるようにしたいと思う。
今年もよろしくお願いします。

# by mint-de | 2017-01-05 14:52 | 木陰日和

年越しそば

今年も残り数時間。
お昼は、蕎麦屋さんでおそばを食べたのだけれど、さすがにすごい人だった。
30分くらい待たされて、やっと食べることができた。
カウンター席だったのだけれど、私たち夫婦の両隣が、おじいちゃんとおばあちゃんで一人で食事をしていた。夫と将来の我々かもなどと話す。

昨日のSMAPファンの新聞広告には、驚いた。3000万円くらい集まったのだという。
ファンの気持はわからなくもないが、無駄にお金を使っている気がするのは私だけ?
それだけのお金だったら、恵まれない子どもたちとか慈善事業に回したほうが、よほど世の中の役に立つのに、と思ってしまった。
なぜ解散するのか説明しない、大人の対応ができない人たちに、ここまでするなんてね。
世の中、理解できないことが多すぎる…

みなさま、どうぞよいお年を!

# by mint-de | 2016-12-31 16:00 | 木陰日和

『米国人博士、大阪で主婦になる。』


『米国人博士、大阪で主婦になる。「The Good Shufe」』 
(トレイシー・スレイター 高月園子訳 亜紀書房)

とても面白かった。
思い描いていた人生とはまったく異なる暮らしをすることになった女性が、迷い、悩みながらも、愛する男性と生きる道を選択した、その手記だ。
英米文学の博士号をもっている彼女は、アメリカで講師として学生などに教えていた。あるとき、東アジアで報酬のいい仕事を依頼される。日本にはまったく興味がなかった彼女だったが、生徒である日本人の会社員と恋に落ちてしまう。
周囲からは、海をまたいだ超遠距離の恋愛には反対されるが、彼との愛を確実に育んだ彼女は、10年の歳月の後に、二人の愛の結晶である娘を授かる。
冷静に自己分析をしながら行動する姿には、自立した大人の女性を感じるが、一方で、誰かに依存した生活など考えもしなかった女性が、180度違う人生を歩むことになる戸惑いにも、共感してしまう。
人生は、思い通りにはいかないこともあるが、それでも、自分が幸せになるために、自分に大切なものは何かを追求してあきらめなければ、居心地のいい場所を得ることができるのだと、教えられた気がする。
異国に住む不自由な気持ちや疎外感、いろいろ悩みながらも、彼女は、日本人の嫁でさえできないような義父の介護に懸命になる。入院した義父を見舞うのに、面会時間の初めから終わり(6時間)までいたという彼女には、驚いた。義父とのやりとりには涙が出るシーンもある。
そして、40歳過ぎてからの不妊治療、流産、あきらめたときに授かった新たな命。つらい時を乗り越えて、こういう本を書き上げた彼女は、精神的にとても強い人なのだと思う。これからの彼女の人生にも興味がわくので、ぜひ続編も書いていただきたいと思う。
# by mint-de | 2016-12-27 15:39 | 私の本棚 | Trackback