酒井雄哉(天台宗大阿闍梨)の言葉から

「自分なりに腑に落ちると、人はついそこで考えるのをやめにしちゃう。でも、答えがわからないといつまでも考えるだろう。肝心なのは答えを得ることじゃなく、考え続けることなんだな」

「毎日立って前を向いて歩いているでしょう。そうすると、目の前にあるものはすべて真正面にあるものだと思い込んでしまうんだよ。寝ていて見える天井だって、天井には見えず、壁に見えてしまう。
習慣っていうのはそれくらい人の感覚を狂わせてしまうんだな。たった90日であってもだ。人間のものの見方や心のありようっていうのは、いろんなものでどうにでも左右されちゃうということを学んだんだ。
だから自分から見て、どんなに正しいと思えることでも、もしかしたらいろいろなことにとらわれてそう見えているかもしれない。自分がどんな立場でそれを見ているのかということをいつもいつも確かめないといけないんだな」 


  (酒井雄哉 『一日一生』から 朝日新書)


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by mint-de | 2010-11-04 16:02 | 詩と言葉から