「LOST」 第121話(6-18)

エンディングのクレジット後の映像を見て「?」
ビーチに散乱していた飛行機の残骸がジャックたちが乗っていた815便だったら、みんなは最初から死んでいたことになる。サイドウェイが死後の世界だということは納得できても、6年間見続けたドラマが全部幽霊たちのお話だったなんていうのは、ちょっと勘弁してほしい。
もっとも、あの飛行機の残骸が何を意味するのかは、見ている者が想像するしかないので、解釈は自由だ。そのラストも「LOST」らしい終わり方といえるかもしれない。
全編幽霊というのは嫌だけれど、墜落事故で命を失った者たちの魂が、その突然の死に納得できず、島をさまよい、仲間を得、助け合いながら成長して己を知ることにより、やっと別の場所でその死を受け入れることができた、そんな解釈のほうが自分としてはスッキリするのだった。

<島>
ジャックはがけの上で黒ロック と戦うが、黒ロックに短剣で腹を刺されてしまう。サイドウェイでジャックの首についていた傷は、このときの傷だった。黒ロックがさらにジャックを刺そうとしたとき、ケイトが銃で黒ロックを撃った。ついに黒ロックは死んだのだ。黒ロックをがけから蹴飛ばしたジャックは、島を救うために洞窟へ戻ることを決意。ジャックは腹の傷が致命傷であることを悟り、ケイトとソーヤーに飛行機に乗って帰るようにいう。ドクありがとうというソーヤー。ベンもハーリーも島に残る選択をする。ジャックは、ケイトにクレアを頼むといって、二人は別れのキスをするのだった。

ジャックたちは川に戻る。洞窟の前で、覚悟を決めたジャックはハーリーに後継者の儀式をする。そして、ハーリーとベンが上でロープを握り、ロープを身体に巻いたジャックは洞窟の底へ降りる。倒れていたデズモンドを運び、デズモンドの身体にロープを巻くジャック。ジャックは、石の栓を元に戻した。

ケイトとソーヤーはハイドラ島に着くと、ビーチにいたクレアに飛行機に乗って帰ろうという。母としての自信がないというクレアに、力になるというケイト。その言葉にクレアも走り出した。整備を終えた離陸直前の飛行機に、3人は間に合った。フランクの操縦で、ケイト、ソーヤー、クレア、マイルズ、リチャードは島から飛び立った。

ジャックが栓を戻したことで、また光が輝き島の揺れは収まった。ハーリーとベンは急いでロープを引き上げた。だが、現れたのはデズモンド。ジャックの姿はなかった。ジャックは行ったと泣くハーリー。ベンは、ジャックは仕事を全うしたのだとハーリーを慰める。そして、デズモンドを島から返す方法を考えようと、ハーリーにいうのだった。ハーリーは後継者として仕事をする上で、ベンに助けてほしいと頼む。喜んでと答えるベン。偉大なナンバー1と最高のナンバー2の誕生だ(サイドウェイから)。

ジャックは、川原で気が付いた。痛む身体で竹林まで歩き、そこで倒れる。そこへ、ビンセントがやってくる。一人ぽっちで死んでいくジャックをかばうように、横に伏せるビンセント。ジャックが見上げた空に、飛行機が飛んでいく。ケイトたちが乗った飛行機だと信じたジャックは、少し笑みを浮かべると目を閉じた。

<ロサンゼルス・Flash sideways>
ロックの手術が終わった。まだ麻酔がきいているはずなのに、ロックは目覚め足がもう動くという。記憶が戻ったロックは、ジャックにも記憶が戻ればいいと微笑むのだった。

サンの病室にいったソーヤーは、サイードに狙われるかもしれないといっても、全然平気な様子のサンとジンに、怪訝な表情を浮かべる。病室からでたソーヤーは、自販機でチョコバーを買おうとするが、チョコバーがひっかかってでてこない。そこへジュリエットがやってきて、チョコバーを出すコツを教えてくれる。成功したといってチョコバーを渡したとき、二人は島での日々を思い出す。島で瀕死の状態のジュリエットがいっていた「成功した」は、このときのシーンを見ていたのだ。二人は熱く抱き合うのだった。ジーンときたシーンだ。

ジャックがコンサート会場に着いたときには、コンサートは終わっていた。ジャックを待っていたケイトは、ジャックを教会へ連れていく。

教会の前のベンチには、ベンが座っていた。ロックがやってくると、ベンはロックに謝る。和解する二人。ベンはまだやることがあるといって、教会には入らなかった。アレックスを待っているのかも。

ジャックは教会に入ると、父の棺に触れた。その瞬間、ジャックは思い出した。だが、棺を開けても父の遺体はなかった。「やあ」という声に振り向くと、父が立っていた。死んだはずの父と話していて、ジャックは自分も死んでいることを理解した。死の世界では先輩である父は、大丈夫だといってジャックを抱きしめるのだった。ジャックはやっと父と心が通じたのだ。
ジャックの父はいう。「人はいつか死ぬ。早い者も遅い者も、互いに会うために、お前たちが作った場所がここだ。お前の大切な仲間と彼らと過ごした時間、お前は皆を求め皆もお前を求めた。思い出し、解き放つために。去るのではなく進むのだ」

ジャックが、皆の待っている場所へいくと、島で共に過ごした懐かしい人々が笑いながら抱き合っていた。ジャックもその中に加わった。ケイトの手を握り椅子に座ると、ジャックの父が進みでて扉を開けた。そこからは、まばゆい光が差し込んできた。島で守った光は、このときの光だったのかもしれない。

製作者は、最終話の直前の放送で、島のナゾより彼らが何者であるかが重要なのだといっていた。それを聞いて私はガクッとなった。重要ではない話に、えらく時間をさいてませんか? でも、文句はあっても面白いドラマだったことは事実。登場人物たちにこれほど愛着をもったドラマはない。
生と死、人が生きていく上で大切なもの、友情、愛。核となるテーマにブレはなかった。ジェイコブと黒服の男の対比のように、善と悪をはっきりさせていないところもよかった(黒服の男も犠牲者の一人だから)。
6年間楽しませてもらってありがとう!
by mint-de | 2010-11-23 07:41 | 海外ドラマ(LOST)