バンシュのカーニバル

昨日の夜、NHKBSプレミアムで「世界遺産 時を刻む」を観た。
今回は「祭」がテーマ。私は、「バンシュのカーニバル」の内容に、とても驚いた。
ユネスコの世界無形文化遺産に指定されたヨーロッパ最古の祭りの一つで、町に春を告げる祭りなのだそう。
人口3万人の町なのに、参加する男たちは800人。
全員がメガネとヒゲの同じ仮面をつけ、ダチョウの羽の大きな帽子を被り、木靴をはいて16時間もステップを踏みながら町を練り歩く。
その衣装代がなんと70万円もかかり、毎年新調するのだという。
ほかにも祭りの諸費用を負担するので、一人100万円近くかかり、一家で4人の男がでるとすると400万円にもなるのだ!
用意できる家だから祭りに参加するのだろうけれど、朝からシャンパンを飲み、生牡蠣を食べ、とにかくその日一日のために、いくらお金を使っても惜しくはないという感じだった。
すごいよね。
私だったら、100万円あったら世界一周などの旅にでるとか、たった一日の祭りのために、そんな高額なお金を使いたくはないと思うけれど、彼らにとって、カーニバルに参加することが誇りであり、生きがいでもあるのだろう。
その町の住民たちが受け継いできた伝統のカーニバル。
高額のお金を惜しげもなく一日のために費やす。
その行為に驚きつつ、カーニバルに対する心意気は、生き方へのプライドでもあるように感じられた。
何かを作るとか何かのために投資するとかではなく、その日の行為がすべてだという精神性に、ある意味とても高貴なものを見る思いがする。
でも、私がそこの住民だったら、家族のためにその町からは逃げ出してしまうだろうな。
by mint-de | 2011-10-15 12:05 | 観て☆聴いて☆読んで