堀文子の言葉から①

日本画家の堀文子さん。絵そのものはあまり拝見したことはないのだけれど、とても美しい色を使われているという印象がある。
そしてご高齢ながらとてもお元気で、語られる言葉に精神的な強さを感じさせる方だ。
求龍堂発行の『堀文子の言葉 ひとりで生きる』を読むと、軟弱な背中をビシビシ叩かれているような気持ちになる。

「築き上げたものを壊すのは惜しいものです。
お金も、物も、人とのつき合いさえも、
捨てることになるのだから。
でも失った無駄が心の肥やしになるはずです。
古い水を捨てなければ新しい水は汲めません。」

「みんなひとりが寂しいといいますが、人といれば本当に寂しくないのかしら?
人はそもそも孤独なんです。」

「現状を維持していれば無事平穏ですが、
新鮮な感動からは見捨てられるだけです。」

「美徳を吹聴してはなりません。美徳自慢は無粋の限りです。
ばか正直。ばか丁寧。くそ真面目。美徳にそんな言葉をつけて「過ぎる」ことをいましめていた昔の人の粋な感覚に圧倒されます。」


  (堀文子 『堀文子の言葉 ひとりで生きる』から 求龍堂)
by mint-de | 2011-12-08 14:39 | 詩と言葉から