碧草の風

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『極夜行』

『極夜行』(角幡唯介 文藝春秋)

以前、世界で最も北にある町として、ノルウェーの北に位置するロングイェールビーンという町を紹介するテレビ番組を見たことがある。
そこでは、10月下旬から2月中旬まで太陽が昇らない極夜が続くという。
私は、曇り続きで晴れた日がないだけで、憂鬱になるタイプなので、とてもこのような町には住めないと思った。なので逆に、そういう場所でも暮らしていける人たちは、どういう精神状態なのだろうとずっと思っていた。だから角幡さんの今回の探検記がその極夜がテーマだったので、とても興味深く読んだ。
北緯77度47分グのグリーンランド・シオラパルクから極夜の闇の中、月の光やヘッドランプの明かりを頼りに、一匹の犬とそりをひきながら3か月間極寒の地を歩く。
「極夜の闇を経験してから太陽を見る」という目的で始めた探検は、事前に、食料などをルートの途中に置いておいたのに、白熊にほとんど食い荒らされていたり、とんでもない暴風に何度も遭遇したりして、トラブル続き。食料が尽き、最悪の場合は旅を共にした犬を食べれば何とかなると、考えるまでになる。
薄明かりの中で見る氷の大地は、宇宙の別の惑星のようだという描写に、その光景が目に浮かぶようだった。
困難を乗り越えて、やっと太陽を拝める日がきた。
「太陽は太陽として、あるがままの姿でそこにあった」
やはり、日の光を知っている人間は太陽がなくては生きてはいけないのだ。
私の一番の感想は、ワンちゃん食べられなくてよかった!(^^)
それにしても北極圏に生きる犬は、とんでもない風が吹くブリザードでも外にいて耐えているということに、驚いた。
そして、探検家も何をするか、目的や場所探しも今のような時代ではなかなか難しいらしい。それでも、探検家として生きていく角幡さんには、これからも未知なる世界を旅して、私たちの知らない世界を教えていただきたいと思う。
by mint-de | 2018-03-07 14:28 | 私の本棚 | Trackback
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