「風の勇士 ポルダーク」 3-9

海にフランス軍の船が現れた。偵察に来たのだ。サー・フランシスは町を守るために、ロスに志願兵を指揮するように頼む。ロスは、その仕事に精を出すが、庶民の間ではジョージが穀物の価格を高騰させたり、議員になったのにまったく庶民のことを考えない態度に反感を抱く者が多くなっていた。

ジョージは久しぶりにトレンウィズに帰ってきたが、その途中、ドレイクが鍛冶屋をやっているのを目にする。息子のことで疑心暗鬼になっていたジョージは、それがロスの嫌がらせだと思い込み、トム・ハリーにドレイクを追い出すように命じる。トム・ハリーは喜んでドレイクの道具を壊し、家に放火までしてしまう。

放火を目撃したドレイクは、エリザベスのもとを訪れ事情を話して、嫌がらせをやめさせてほしいと頼む。しかし、その時ジョージがやってきて屋敷から追い出され、外で待っていたトム・ハリーに殴る蹴るの暴行を受けて倒れてしまう。

エリザベスは、ドレイクの話からジョージが命令したことだと知り、今までの非情なやり方に堪忍袋の緒が切れ、まくしたてる。そして、ロスと話したことで勇気を得たのか、今が疑いを晴らすチャンスとばかりに、ロスとはもう無関係だし子どももあなたの子であると聖書に誓って断言する。その迫力に圧倒されたジョージは、やっと妻の言葉を信じる気になった。

ドレイクが暴行を受けたことを知ったサムやトーリーたち、ジョージのやり方に不満を持つ連中は、もう我慢ならないとジョージの穀物倉庫を襲うことに。その知らせに、ロスは、いつもなら庶民の味方であるはずだったが、権力側の立場で暴動の阻止に向かう。ロスとトーリーが一触即発の状態になるが、力で抑えてもまたその反発が起こり、結局何も解決できないと悟ったロスは、今度こそ機会があったらジョージと対峙する議員になると宣言し、その場を収めることができた。

モーウェナは、妹のロウェラが夫の子を妊娠したことを知る。ロウェラはオズボーンに脅迫まがいの交渉をして、別の男と結婚する代わりに多額の現金を受け取ることに。ロウェラに期待できなくなったオズボーンは、モーウェナに夫婦の営みを迫るが、彼女は断固拒否する。近づいたら赤ちゃんを殺すといわれたオズボーンは、仕方なく部屋から出ていくのだった。あるとき、ドアをノックする音に外にでたモーウェナは、そこに小さな花が置かれていることに気がつく。姿の見えないドレイクに向かって、愛してると声に出すモーウェナ。その言葉を、門の前に隠れていたドレイクはじっと聞いているのだった。

デメルザは、プルーディからロスとエリザベスが墓地でキスしていたことを聞き、アーミテージに会う決心がつく。半年後には失明する、デメルザとの愛を見えなくなってからの慰めにしたいというアーミテージの言葉に、デメルザはその身を横たえアーミテージと抱き合うのだった。


ジョージは、なかなかエリザベスに子どものことを聞けなかった。それだけ、エリザベスのことを愛していたのだと、意外な面を見た気がした。とっても嫌なヤツだけれど、人を愛する心においては人並みな感情を持っていたのだね。結婚に愛は不要といっていたエリザベスは、ロスを諦めたときに、とにかく自分と子どもたちを守るために、相手とうまくやっていくことを第一に考えたのだろう。それだけお嬢様からしたたかな女になったということかな。「母は強し」ってことかも。デメルザにはびっくりしたけれど、妻をないがしろにして我が道を行くロスへの罰ってことかな。ドレイクとモーウェナの恋は切なすぎる。
by mint-de | 2019-02-25 13:34 | 海外ドラマ(英M~R)