冬だけのぽっぽや

世の中には、「へぇ~、そんな仕事があるんだ」と、感心してしまう仕事がある。
あまり知られていないけれど、そういう仕事をしてくれる人がいないと大勢の人が
困ってしまう。
昨日の朝日の夕刊に載っていた、「人・脈・記」の「心の鉄路」。
北海道の中央部に位置する、34年前までは駅があった上越信号場で働く、
冬季だけのぽっぽやの話。
石北線の鉄路を、雪や凍結から守るために、雪かきをするのが仕事だ。
たった二人で、24時間勤務する。
周囲には民家もなく、電話もテレビもない、雪に囲まれた仕事場。
列車が無事に通過できるように、懸命に雪をかく。それが仕事。
除雪車だけでは無理なのだろう。豪雪地帯ならではの仕事だ。
冬季以外は、農業をやっている人たちが多いそうだ。
冬は、家にいても退屈なだけだから、3日に1度の24時間勤務も楽しいという。
相棒とラジオと雪かき。そして、時折通過する列車。
記事を読んでいるだけで、白い世界に響く、雪をかく音や列車の通過する音が
聞こえてくるようだった。
とても孤独で重労働な仕事だと思うけれど、そういうところに1日いるのも、喧騒の
社会からの逃避というか、たしかに悪くはないなと思えてくるのだった。
by mint-de | 2009-02-17 14:04 | 観て☆聴いて☆読んで